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寄せ植えと植え替え [夢の庭]

1月最後の週末を新年のカレンダーが告げる頃、ふとガーデナーは二ヶ月間ほとんど何の作業もしていない事に気付いた。2月になればバラの剪定や土替えと言う一大イベントが控えているのに、ぼやぼやしていてはいけないではないか。

まずは、クリスマスローズの植え替え。ニゲルを植えますに移し、リビダスは葉が綺麗なので寄せ植えにして、玄関前を彩ってもらう事にした。開花鉢は根がパンパンに回っていた。模範的ガーデナーなら買ってすぐ植え替える所だが、一週間放置していたのだ。しかもこれでもまだガーデナーにしては早い方である。

ニゲルはすぐに植え付けられた。リビダスの方は久々にいちからの寄せ植えである。そう言えば、こんな事するのは二年ぶりかもしれない。今回は初の試みとしてプリムラを使ってみた。

かつては興味がなかったのに、六甲高山植物園でイギリス原産のプリムラを見てすっかり魅了されてしまった。淡くクリームがかった黄色の花びらが、春の使者に見えたのだ。原種はほとんど高山植物に近いせいなのか、店頭に並ぶのは暖地栽培用に改良された園芸品種しかない。その中でも原種のイメージになるべく近い子達を選んでみた。みーさんの所で見掛けたゴールドレースらしき品種も獲得。あとはラグラスやコルジリネで締めてもらう事にした。プリムラは夏越しが難しいので一年草のつもりで使う。もし宿根してくれれば儲けものだ。耐寒性のないワイヤープランツにも挑戦する。ダメなら自前のヘデラに即交換である。

(←左端のプリムラがゴールドレースもどき??、→デッキの植えますのニゲル)

作業を終えた所で雪も降ってきたし、お昼休憩をとる。

(玄関前の劇的ビフォーアフター)

午後から相棒maruが「趣味の園芸」を見て感化された椿とバラ用の土を探しに、近くの園芸店に出掛ける。maruは機会があれば、すぐ樹木の苗木を買ってしまう。放っておくと、ただでさえ狭い家の回りの地面に貧弱な森ができてしまいそうだ。「鉢植え以外不可」と言う条件で、店に行く。

白の侘助があるとよかったのだが、あいにくない。と、近くのクリスマスローズの開花鉢に磁石の様に吸い寄せられる。おお、欲しかったオリエンタリス系の白のスポットがある。スイッチが入ってしまったガーデナーは、椿の事などすっかり忘れ、「貴婦人」の有望株獲得に向けてスカウト活動に専念する。

色、形、大きさ、株元、値札を片っ端から入念に検閲し、時には鉢をおもむろに手に取り、株がぐらついていないかを一瞬にして見極める。これをある程度「品格」を持って、かつ手早く、良識あるガーデナーとしての体裁を保ちながら行う。スカウト活動も案外楽ではない。

途中でmaruも加わり、検討の結果、紅白のオリエンタリス計2名と、maru推薦のステルニーが地植え選手として選ばれた。帰って早々、獲得選手達を現場に配置。紅白オリエンタリスは乾燥してグランドカバーもうまく育たないモミジ下の奥へ(写真左下)、ステルニーは西側のエゴノキの根元で頑張ってもらう(右下)。

地植えにすると、貴婦人達のドレスがよく見えないのが難点だ。暖かくなったら土を足して花壇をもう少し立ち上げてみよう。みすぼらしかった外の花壇も貴婦人の活躍で、少しはましになっただろうか。そうこうしてる間に春の足音はもうすぐ聞こえてきそうである。


(どちらもスポットが可愛いのだが、見えそうで見えない; ;)

(撮影:1/27-28)

*みーさんのプリムラはこちら→http://mie0123.blog44.fc2.com/blog-entry-514.html#pagetop


冬の華 [夢の庭]

年末年始の仕事の忙しさから、また冬眠してしまいました。相変わらずの気まぐれペースですが、どうか本年もよろしくお願いしますm(_ _)m

*******
冬のガーデナーは怠け者である。外は寒いし、バラを始めほとんどの植物が休眠中とあっては、やる事もない。いや、厳密に言うとない事はないのだ。寒肥に剪定、誘引、枯れ枝の整理、主のいなくなった鉢の整理に春からの植栽構想。週に一度ぐらいは忘れず鉢に水やりもしてやらなくてはいけない。

とは言え、別に今日やらなければいけない事は何もない。冬に成長する植物でさえ、育ってるかどうか毎日観察していてもよくわからない。まるで静止画のように、今日も昨日と同じ景色が張り付いている。可愛い原種スイセンのカンタブリカス・モノフィラスも一ヶ月ぐらい咲きっぱなしで、造花じゃないかと疑わしくなるほどだ。

(←原種スイセン、↑一年草がいなくなった三角地帯、→咲き始めたギョリュウバイ)

怠け者ガーデナーが日々楽しみにしているのは、暖房のきいたリビングから望むデッキの植えますに作った小さな「冬の庭」である。バコパが雪とみまごうばかりにその白い花びらをまきちらしている。その後ろには「冬の貴婦人」クリスマスローズ。が、まだ今春の花芽は見えない。

(←植えますから枝垂れ落ちるバコパ、→アクシャスママから頂いたクリスマスローズの苗もこんなに大きく育ちました^ ^)

そして、デッキの塀に這わせた社会人一年目のカリシナ姫。期待に応え、この冬ようやくソバカスの笑顔を覗かせてくれた。リビングから見えるように敢えて、塀の内側に這わせた。少し日当たりは悪くなるのだが、ソバカス姫の美しさを独り占めできるのである。ふふふ。

(←冬咲きクレマチスのカリシナ、→無理矢理上を向いてもらいました)

ああ、でももう少し上に誘引しないと、はいつくばってしか写真が撮れない。はずかしがりの姫は皆うつむいてしまって、顔を拝むには寒さを我慢してデッキまで出向いていかないといけないのだ。いつだって、いざその季節になってみると素人ガーデナーの思惑通りにはいかないものである。それでもこの冬は少しだけ華があって、例年みたいに寂しさのあまり観葉植物を買いあさらずに済みそうである。


(←手前はカリシナの花後の姿、もうすぐフワフワのイヤリングができる。→モミジの下のスノードロップ、春はもうそこに)


オベリスク物語 [夢の庭]

待望の週末は晴れ。絶好のガーデニング日和である。朝食が終わるか終らないかのうちに、もう一人のガーデナーmaruが「朝顔を取ってくるわ」と勇ましく出かけて行った。バラを植栽する予定地の東側の花壇には、まだ西洋朝顔とバジルが頑張っていた。朝顔の種を取りたかったガーデナーは徐々に撤去していきたかったのだが、もう誰もmaruを止めることはできない。

当初の「ローズガーデン構想」では、一季咲きのつる性のオールドローズを2本植栽し、壁面に誘引するつもりであった。そのためにアイアンのトレリスを家の外壁の両端に設置し、その間をワイヤーで張ればいいと考えていた。

設置後、「真ん中に何か要るなあ」とmaru。確かにトレリス間の距離があり過ぎて、なんだか間延びした感じだ。

(朝顔とバジルがわさわさだった頃の東側花壇)

二人のガーデナーの協議の結果、2本のオベリスクを、窓をはさみ対称的に立てる事にした。せっかくなので、オベリスクにもバラを這わしたい。満場一致で、前述のコンスタンス・スプライとシャポー・ドゥ・ナポレオンが採択された。

平日の仕事帰りに京阪園芸に立ち寄り、めざとくローズアドバイザーの小山内さんを発見する。オベリスク計画を打ち明け、懇切丁寧にアドバイスしてもらう。シャポー・ドゥ・ナポレオンの1年目はあまり伸びないので、張り切ってまだオベリスクを買わなくてもいいと言う良心的なお言葉まで頂いた。しかしmaruは、苗を入手するやいなや、オベリスクを早速ネット購入してしまった。

そんなオベリスクだったが、一掃された朝顔達の後に仮置きすると、幅50cmの狭小花壇が一人前の庭らしく見えてくる。

(朝顔が一掃され、一部のバジルが残っている。)

ガーデナーはつるバラ用の長尺苗をポットからはずし、根を洗い始める。剪定後の背の低い大苗ではないので、大変である。適当に土を落としだけで、バケツに水と適量の活性液を入れ、しばらくつけておく。

その間maruはオベリスクを固定し終わり、上機嫌で植栽用の穴を掘り始める。最低30cmの深さは確保したい。家の基礎もあるので、そこまでが限界点でもある。掘っていくと、コガネムシなど甲虫の幼虫、通称「根切虫」がざくざく取れた。恩師ポールさんは、素手で根切虫の頭をちぎり、残りの胴体部分を「ハイ、有機肥料!」と地面に突き刺していたが、ガーデナーにその妙技を試す勇気はない。

根切虫が出てくるのは、土が良くなっている証拠でもある。掘り上げた土に更に培養土と腐葉土を追加し、骨粉もひとつかみ混ぜ、ふかふかにする。後は小山内さんのアドバイスと、ポールさんのDVD春編に従い、初めてのバラの地植えをする。

1、接ぎ木の部分(テープ部分)が地面の高さになるよう、根を持ちながら、穴に改良した土を入れていく。
2、いったん土を入れ終わったら、かかとで穴のまわりを固めるように踏む。根はふんづけないように注意。
3、土が沈んだ所に更に土を追加。またかかとで固める。
4、土留めを作り、バケツで2杯分の水をやる。半日蔭の場合、これ以降水をやる必要はない。
5、有機肥料を適当に株元からなるべく離したところにやると、なおよろしい。バイオゴールドをひとつかみやる。
6、土が水で沈んだ所に、腐葉土をまいて終わり。

(←外壁ぎりぎりまで植栽の穴を掘る^ ^;:→まだ頼りないシャポー・ドゥ・ナポレオンの株元に水をやる)

これを2回繰り返したわけだが、二つ目の穴を掘っていた時にmaruが悲劇に見舞われた。側の縁石に指を誤って思い切り打ちつけてしまい、早々に戦線離脱してしまったのだ。上記の作業は全てガーデナーが一人で担当した。

植え付けが終わってから、遅い昼食を取る。「戦力外」となったmaruは心なしか意気消沈しているようだった。トゲが刺さってもバラを誘引すると張り切っていただけに、中指の絆創膏は痛々しい。食事後は、オベリスクに倒れない程度に苗を麻ひもで仮止めし、その日の作業は終了した。

(早く育ってね)

来月中旬以降には剪定をし、いよいよオベリスクに誘引する事になる。「誘引は頑張るよね」と言うガーデナーに、maruはこくんと力強く頷いた。


(←ようやく咲き始めたシャウシャウ:→東側に定植したメドーセージ)

***おまけ***
回し者ではありませんが、ご参考までに^ ^;↓


ポール・スミザー 四季のガーデン生活 ~ポール流園芸テクニック~ 春編

ポール・スミザー 四季のガーデン生活 ~ポール流園芸テクニック~ 春編

  • 出版社/メーカー: BSフジ
  • 発売日: 2005/11/14
  • メディア: DVD


憧れのローズガーデン [夢の庭]

我が家のオールドローズ達はあの怖ろしい猛暑を耐え抜き、ようやく美しいドレスを披露してくれるようになった。5月に引っ越してしまったため、環境の激変と暑さのお陰で、ガーデナー同様、バラ達もへとへとだったらしい。春はあまり本領を発揮してくれなかった。

おまけに今年の夏は仕事まで忙しく、気がつけば秋剪定やら、施肥の時期まですっかり頭から飛んでいた。思い出したように9月末にシャウシャウには軽く整枝してやり、肥料をあげた。ただ、すでに蕾をつけていたノエル君とサーヤには剪定も施肥もできず、8月末だか9月頭にやった肥料だけで頑張ってもらっていた。

10月になるとようやく気候もよくなり、今度はいそいそとまめなガーデナーの真似をして、葉の裏なぞチェックするようになった。チュウレンジバチのお子様も小さいうちに退場してもらった。見逃して大きくなってしまった子は、小鳥達の「捧げもの」としてデッキの塀の上に葉っぱを添えてお出しする事にした。幼虫もすごい食欲で葉をレース状にしてくれるが、小鳥達もひけをとらぬ食欲で、気がつけば「お皿」は空っぽである。

何故ガーデナーがとってつけたように世話をしだしたかと言えば、それはひとえに秋バラの美しさを見たいがためである。おまけにうちの子たちは秋の花色が美しい。春とは違ってゆっくりと蕾が成長し、はっとするような深みのあるドレスをじらすかのように広げていくのだ。夏にバラ達が体力を消耗しないように、花をつけたらなるべく早く摘んでもいた。それもこれも皆、秋バラのためである。

バラ園では10月半ば以降を見頃にするため、9月初旬に秋剪定をしている。今回は剪定をしなかったので、一斉に開花時期を迎えず、一つ、また一つと、ポツリポツリ咲いていく。たくさんバラがない場合はこうやってだらだらと長く楽しむのもいいのかもしれない。

今年はいつもの三人に加え、相棒maruが何故だか迎えてしまった盆栽系のミニバラがあと2鉢ある。これは鉢のままにしておくとして、せっかく地植えスペースを確保したので、三人のうちノエル君には、デッキまわりの塀を覆ってもらおうかと思案中である。可愛い房咲きの花がフェンス一面に広がってくれれば、その芳香もより一層楽しめるはずだ。


(↑サーヤの香しいドレス:←ノエル君の花束:→あともう少しのシャウシャウ)

あと、東側のバジル畑と朝顔でぐちゃぐちゃになってしまった花壇には、一季咲きの一重のバラを壁面に這わせようと構想中だ。これに夏咲きのクレマチスを絡ませて、秋にはローズヒップも同時に楽しめたらもう言うことなしだ。ヒップを楽しむから、花がらは「摘んではいけない」。クレマチスは咲き終わったらそのままイヤリングのようになるので、それを観賞したければ、やっぱり花がらは「摘んではいけない」。ものぐさガ-デナーには夢のような取り合わせだ。気が向いた時だけ、剪定してやれば又返り咲いてもくれるだろう。誘引だけが、ちと面倒くさそうだが、骨組さえできれば、夏の間はあまり世話をしなくてもいいはずなのだ。

(←遅咲きのファイルヒェンブラウは壁面に:→オレンジのヒップが魅力のコンプリカータ)

南の三角地帯にも、やはり一株だけで目を引くあまり大きくならないブッシュ型の四季咲きバラが欲しい。病気にも虫にもとても強くて、なおかつ、香りも強ければ最高だ。

と、こんなバラを探しているのだが、もう一人のガーデナーmaruと意見が一致せず、また場所の関係で一株が限度なので、「スカウト活動」は困難を極めている。ガーデナーは、濃い目のピンクかアプリコット色を帯びた強香なイングリッシュ・ローズが第一希望なのだが、maruは以前バラ園で見たメイヤンのレオナルド・ダヴィンチだと言って譲らない。

(←目を引くレオナルド、強健そうだけど、少し大きいのと香りが弱いのが、う〜ん:→ERのウィリアム・モリス、強香だけど大きくなるよねぇ。)

今はちょうどバラの大苗が売り出されてから時間が経ってしまっているので、人気品種はどんどん品薄になっている。ぼやぼやしていると又来年まで待たなければならない。

少し焦りつつも、ただ一辺にたくさんのバラを抱えると今度は世話まで手が回らない。嬉しい悲鳴を上げつつ、ガーデナーは秋の夜長をカタログや園芸書を何度も舐めるように眺めながら過ごしている。


(そんな事書いてる間に、うちに来る事になった子達。←ER第一号のコンスタンス・スプライ:→シャポー・ドゥ・ナポレオン:とりあえず東側にと。どんどん計画が変更に??^ ^;)

*追記:うちの子(上の三枚の写真)以外のバラ達は、今春に、姫路バラ園にて撮影。ウィリアム・モリスのみ、ひらかたパークで撮影。

*追記2(11/7):秋の夜長のお供達。↓

バラとつるバラの素敵な庭づくり

バラとつるバラの素敵な庭づくり

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 成美堂出版
  • 発売日: 2004/02
  • メディア: 単行本

↑仕立てに向いたバラが紹介されている。

オールド・ローズとつるバラ図鑑674

オールド・ローズとつるバラ図鑑674

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/03
  • メディア: 単行本

↑花色別に分類され、返り咲きの時期、ヒップ(実)の鑑賞度までもマニアックに紹介されている。

オールドローズ (NHK趣味の園芸・よくわかる栽培12か月 )

オールドローズ (NHK趣味の園芸・よくわかる栽培12か月 )

  • 作者: 野村 和子
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2002/05
  • メディア: 単行本

↑コンパクトながら栽培の要点がわかる。ただ肥料は少しやり過ぎのような気もする。

オールド・ローズ―ガーデニング大好き! (Gardening is wonderful!)

オールド・ローズ―ガーデニング大好き! (Gardening is wonderful!)

  • 作者: 小山内 健
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/10
  • メディア: 単行本

↑同じようなシリーズでイングリッシュ・ローズ、クレマチスもある。写真が美しい。


秋到来 [夢の庭]

皆様にご心配頂きましたリンゴちゃんも、御陰様で、ようやく「退院」できました。しかし「外科手術」だったため、一から設定をし直している所ですT Tその間古いiBookで更新を試みたのですが、画像が処理できず、記事も下書きに眠ったままでした。10月の三連休あたりに書いた記事ですが、せっかくなので、アップしておきます。今後ともよろしくお願いいたしますm(_ _)m

******
朝の日差しが暖かく感じられ、あの執拗な蚊が姿を消せば、いよいよガーデニングの季節到来である。各地で緑化フェアと銘打ち、植物公園では催し物が開かれ、園芸店では苗も球根もてんこ盛り。しかもこの秋は何も植栽されていない地植えスペースまで確保した。となれば、テンションが否がおうにも上がってしまうではないか。

(人も苗も花も一杯♪心躍る宇治市植物公園緑化フェア)

引っ越してからも鉢は順調に増殖を続け、ついにホースを購入した。しかし、ホースと言うのは、調教が必要な猛獣である。気がつけば継ぎ目から噴水や水溜りを作り、くねった胴体は植えたばかりの可愛い苗をなぎ倒し、花芽をつけた枝をへし折っている。じょうろと比べ、水遣りの時間は短縮できたが、その仕事ぶりを比較すると便利なんだかどうだかわからない。

そうなると、もう鉢の数を減らすしかない。いずれは地面でのびのびしてもらおうと思っていたので、今度は玄関前の西側にも植栽スペースを拡張することにした。鉢に植わっている子達を移動させたが、それだけでは今度は植栽に空きが出来てしまった。立ち上げ花壇にしたので培養土も足りない。週末は園芸店に行き、球根や苗、培養土に腐葉土をしこたま仕入れ、嬉々として作業に取り掛かる。頭の中では、苗の引越しも完璧に出来上がっているのに、いざ堀り上げてみると、株分けが必要だったり、分球していたりと、引越し作業は思いのほか手こずった。

おまけに今年は狭い敷地にガーデナーが二人もいる。好みも感性もやっぱり違う。園芸店に行けば、それぞれ違う好みの苗をカゴに入れ、植栽する場所も当然ながら微妙にずれる。

玄関前はガーデナーの思う通りにほぼ植栽できたので、出来栄えにとても満足する。もともと家に挟まれた狭い路地の片隅なので、日陰が好きな山野草がほとんどだ。シダとグラスがまだ思うように入手できていないのだが、球根と種まきまではなんとか作業を終える事が出来た。

(寄せ植え鉢にあったコバノギボウシや球根はすべて地植えに。なので鉢にはまだ住人がいない。)

しかし問題なのは、初夏に開墾した東の花壇と南の三角地帯だ。野良猫の通り道なので、慌てて手持ちの一年草の苗で空間を埋めていたので、全く気に入らない。おまけにもう一人のガーデナー、maruが好きな苗をいつの間にかどんどんと植栽してしまい、何をしたいのかわからない景色が出来上がっている。もともと「日陰の庭」をテーマに勉強し、構想を練っていたので、日当たりの悪い側の植栽は結構イメージが固まっていたのだが、逆に日当たりのいい側には何を植えたものか、焦点が絞りきれず、無秩序な植栽を目のあたりにするとますます頭が混乱してしまう。

(←百日草とバジルでわさわさの三角地帯、→東側の花壇もわさわさに)

「日陰じゃなくて、日当たりのいい方を悩むなんておかしなもんやな。」とその原因の一端を担う相棒maruがつぶやいた。もともと日当たりが気に入って、この家に引っ越したのに、全くその通りとうなづくガーデナーであった。ただ二人いると、自分では考えもつかないアイディアも出て、意外といい時もある。秋の植栽はこれからも楽しく続く。


(現実逃避。好きな所だけ切り取って眺めてみよう?!^ ^;)


花より葉っぱ [夢の庭]

引っ越してから早や一ヶ月半。遅いと言われながら当地も先週に梅雨入りした。ブログを休んでいた期間にも色んな事があり過ぎて、何が何だか訳がわからないうちに時が流れてしまった。ようやく仕事の嵐も収まったので、今週ぐらいからぼちぼち再開する事にしよう。

ここ一ヶ月の大きな変化と言えば、ガーデナーの相棒、maruの変貌ぶりだろう。「園芸熱」と言うのは一種の伝染病である事が、世のガーデナー達にはよく知られているが、ついに「発症」してしまったらしい。感染経路は植物の種、球根、苗が多く、特に園芸熱患者と共に「土いじり」をした後、かなりの確率で感染する事も確認されている。ある一定の潜伏期間を経て、発症する時期として最も注意を要するのは「新居への引っ越し」である。

maruの場合、まさに上記通りの感染経路と発症の過程をたどった。ガーデナーの出かけている隙に、エリゲロンを6苗も買い込み、腐葉土を買いに行った園芸店ではアガパンサスを買うと言って聞かず、今も落葉樹のジューンベリーに恋いこがれている。

あれほど、頑迷だった元駐車場の一角、通称「三角地帯」の土の開墾も、maruの毎週末の活躍でほぼ終了した。おまけにそのままの勢いで、東側の植え込み区画まで、下草のクマザサが雑草と共に一掃された。ガーデナーmaru、誕生の瞬間である。

恩師ポールさんの言葉に忠実ならば、本来「新築の家に引っ越してから一年は、何も植え付けてはいけない」。経験のあるガーデナーの皆様なら分かる事だが、新築の家の土と言うのはとにかくひどい!ポールさんは先に土作りをしてから、植え付けるべきだと教えてくれた。ガーデナーも忠実に、まず土を30cmの深さまで掘り起こし、大きな岩や草の根を「発掘」し、小さな石ころは水はけをよくするために選択的に戻し、腐葉土をすき込み、コーヒー豆が入れてあるような麻袋をしいて、さらに腐葉土をしいていた。

しかし元駐車場だった三角地帯は、住宅地の通り道に直接面していて、高低差もない。近所の子供達には「謎の落とし穴」として、恐れられていた。そこで、「なんとなく立ち上げ花壇」にする事にした。少し高低差をつければ、誤って足を踏み入れる事もなくなるし、道と敷地との境界線もはっきりするからだ(参考文献は*)。

ホームセンターで薄っぺらい岩の破片みたいな資材を買って来て、周りに立ててみる。これに砂利でも入れると、ちょっとしたグラバル・ガーデン(砂利の庭)みたいでかっこいい。本当は30cmぐらい立ち上げて見たかったが、ちゃんとした施工の仕方もわからないので、15cmぐらい立ち上がった所でよしとした。

(写真左:三角地帯、その手前の隙間にエリゲロンを植栽、右:東側の植栽スペース)

当然土が足りないので、園芸店の土を買い足し、更にデッキにある「植えます」の中の「マサ土」(ただの土をこう言うらしい)まで動員して、土を増量する。計画性があれば、先にマサ土で増量してから、腐葉土や培養土を混ぜて、麻袋をしけばよかったのだが、後の祭りである。へなちょこガーデナーは、こうやって失敗から学ぶものだ。

ここまでやって、ようやく植え付け。ガーデナーは当初何も植え付けるつもりはなかったのだが、このままだと今度は「猫の厠」になる可能性が大なので、予定を変更した。maruが買って来てしまったエリゲロンを石組みから垂らす。あと、猫除けになると言われるタイムの代替品として、強健なイブキジャコウソウを株分けしながら配置した。また風除けの為にパニカム・ショコラータを植えた。驚くべき事に、これを買うと言ったのもmaruである。

(写真左:作業後の三角地帯、背が高いのがパニカム、右:東側にとりあえずアガパンサス・ブラックブディストを植栽。まだ残りのスペースは立ち上げていない。)

作業中には、近所の人がもの珍しそうに通り過ぎたり、話しかけてこられたりして、結構楽しかった。犬と散歩中の女性が、パニカムを指して「これはどんな花が咲くんですか?」と聞いてこられた。ガーデナーはこれはいわゆる「花」ではなく、穂みたいなのが上がるだけだと説明したら、彼女は一瞬呆然として、「花でないものを植えるなんて、、、」と言いたげな困惑した表情を浮かべた。そう、ここには花ではなく、風になびくかっこいいイネ科のグラスを入れてみたいのである。

しかし、園芸店にはまだ涼しげなグラスはあまり出ていなかった。一年間この三角地帯の様子も見てみたいので、残りの空間は一年草と砂利で埋める事にした。一年草要員として現在、向日葵や百日草や蚊除けのバジルをデッキで養成中である。

(写真左:すくすく育つ一年草達、右:最近仲間入りしたヒペリカムの実)

ここまで作業は進めたものの、将来的な展望はまだない。ここの地植えスペースには塀も垣根もない。近所の子供達がボール遊びをし、猫や犬の散歩道でもあり、風の通り道でもあるこの場所には、花より強健なグラスや低木を中心とした「葉っぱ」ものを先に考えた方がよさそうだ。「花泥棒」は聞いた事があるけど、「グラス泥棒」はいないんじゃないかなと、ふとガーデナーは近所にある素敵な「雑草ボーダー」を思い浮かべていた。

(写真左:なんてことない近所の「雑草ボーダー」、でも下がアスファルトの代わりに芝だったりしたら、立派なボーダーである。右:本家(Seasons)のグラスガーデン、こんなグラスを探してます^ ^)

*参考文献は↓やっと出ましたね^ ^

ポール・スミザーの自然流庭づくり

ポール・スミザーの自然流庭づくり

  • 作者: P. スミザー
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/03/24
  • メディア: 大型本


 [夢の庭]

雨が降る。単に雨が降っているのではない。家の周りの地面に、デッキに、鉢植えの子達の上に降っているのだ。

この一軒家に来てから、初めて雨に濡れる子達を見た。ガーデナーは、ただぼんやりと水滴が葉から滴り落ちるのを眺めているしかない。そう、水やりをする必要がないのだ。マンションのベランダと違って、雨も日差しも遮っていたコンクリートの壁がここにはない。

考えてみれば当たり前なのだが、不思議な気分である。重労働から解放されて嬉しい反面、雨に仕事を奪われたガーデナーは少し退屈である。

オールドローズのシャウシャウ、ノエル君がようやく咲き始めた。剪定の深かったサーヤはもう少し後になりそうだ。シャウシャウは粉粧楼と言う水分量に敏感な品種だ。水分が多すぎると花弁がうまく開かなくなるらしい。開花し始めていたので、慌てて軒下に移動させた。

(あともう少しだ、サーヤ!)

無事シャウシャウが開花して一安心したのも束の間、今度は花色が変わってしまったので戸惑う。いつもなら春花は、中が濃いピンクで、花弁の外に向かって徐々に薄くなる見事なグラデーションを見せる。なのに、今回は夏に咲くアプリコット色になってしまった。気温や日照で花色が変化してしまう事は知っていたが、もう少し日当たりを悪くした方がよかったんだろうか?

(ほとんど白バラになっちゃったね、シャウシャウ。)

悩むガーデナーの側で、暑さが好きなノエル君が微笑む。黒点病にも強いので、雨に当てても安心できる子だ。この子には新しい環境の方が合っているようだ。もうすぐ次々とピンクの小花が開いて、満開になるだろう。その姿にはいつも心癒される。

先週末に塀の外にある狭い地植えスペースを掘ってみた。恐ろしいほど水はけの悪い粘土や、金塊ならぬ「金塊サイズ」の岩、アスファルト片が次々と発掘された。これが植栽できる土に生まれ変わるなんて事は、今は全く想像ができない。腐葉土を買う以前に、この憎らしいほど固い土を砕く大きなスコップが必要になった。急遽、相棒maruが必要な道具をホームセンターで買い揃えてくれた。

当分の間、鉢植えの子達の機嫌を見ながら、地植えスペースの開墾作業を並行して進めていく事になりそうだ。今度の週末は、夜のうち雨が降って、朝には地面が柔らかくなっているといいのになと、ガーデナーは都合よく雨を期待するのだった。

(写真左:本日の訪問客、バッタさん、右:やっぱりノエル君)

(撮影:5/18)


引っ越しました [夢の庭]

親愛なる皆様へ

ベランダの子達と共に無事引っ越しました。

周りには茶畑が点在し、近所の平等院では藤が大層綺麗です。当園には庭がなく、しばらくは狭いウッドデッキで作業をしますが、お近くにお出での際は是非ご来園下さい。

週末ガーデナーより

*****
引っ越してから約二週間が経った。その間、日常生活を「日常茶飯事」にするのはどれだけ大変なのかと言う事をガーデナーは身を以て証明した。朝起きて、顔を洗い、服を着替え、朝ご飯の用意をすると言う一連の流れさえ、驚きと発見に満ち満ちた冒険である。発掘作業、開墾作業が何日も続き、スイッチを押せば予想外の場所が点灯し、コンロのスイッチを何気に押すと必ず思いがけない箇所から発火する。窓を普段通りに開けたら、思わぬ方向から別の窓がガーデナーの小指に襲いかかり、トイレの鍵を締めると何故だか開いてしまう。そんな危険と隣り合わせな毎日が続いた。

それでも南側のウッドデッキに仮置きした子達をリビングから眺めていると、そんな疲れも吹き飛んでしまう。朝から昼の三時過ぎまで、この子達は日光浴三昧だ。しかもリビングでお茶なんぞすすりながら、新緑に包まれる様子をぼぉっと見る事ができる。こんな贅沢をしていいんだろうか。

早速アゲハチョウ、モンシロチョウ、そしてモンキチョウ様のご来園があった。向かいには新居を構えたばかりの新婚ツバメさんもいる。どこか遠くでウグイスの声も聞いた。そればかりではなくアブラムシ、アシナガバチ、チュウレンジバチ、ハダニ、ハエ、カ様など、ガーデナーが招待状を出した覚えのない方々からも、次々とご来園頂いている。

すでに住人であるイロハモミジは、新緑が美しく芽吹き適度な木陰を作ってくれた(写真左上)。ソヨゴは白い花芽を準備中だ(右上)。家の中を右往左往しているうちに、気がつけば遅咲きのチューリップが顔を出していた。多分バタリニーではないかと思う。側でニゲラは種をつけたり、咲き乱れたりして、ふわふわ揺れている(左下)。

(写真右下:球根鉢、黄変したチューリップの葉と新葉を見せるイカリソウ)

とても心配だったオールドローズも無事引っ越せた。枝三本の骨折と被害は最小限に留まり、鉢が割れたりする事もなかった。元気に蕾も膨らみ、開花を待つばかりである。剪定がまずかったサーヤは少し小ぶりながら花芽をつけた。ウドンコはあるものの、日増しにコロコロとした蕾が膨らんでくるシャウシャウは、元気そのものだ(写真上部)。枝二本の骨折と一番被害を受けたノエル君はそんな怪我などもろともせず、鈴生りに蕾をつけている(写真左下)。

ここに来て調子を上げてきたのは、カノコユリとシモツケ。もともと陽当たりが大好きなので、特にシモツケは日に当たったライム色の新緑と花芽がより一層美しく見える。

(写真左:カノコユリ、右:シモツケ)

さんさんと降り注ぐ日差しに一旦は喜んだガーデナーだったが、ふと不安がよぎる。今までこんなに日差しを浴びた事のない子達なのに、無事夏は越せるのだろうか。早く朝顔の種でも蒔いて、遮光カーテンを仕立てなければ、デッキの子達もガーデナー達も焦げてしまいそうである。ぼちぼち夏に向けて、種まきをしないといけないなとガーデナーは引っ越し疲れの頭でぼんやり思うのだった。

(写真左:新入りのオオバギボウシ’富士錦’、右:寄せ植えバスケットを植えますの上に仮置き中。早く土作りをしないとまずいな〜。)


夢の庭 [夢の庭]

「不動産と結婚は縁やからなぁ」〜いつもの美容師さんのありがたいお言葉より

"You have to look for it until the area talks to you."(「その土地が語りかけてくれるまで探すんだ」)〜あるイギリス人紳士のありがたい励ましより

その知らせはある日突然舞い降りて来た。半年以上も前から、その地はガーデナー達を待ってくれていたかの様に迎えてくれた。

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「家付きの庭」別名、一戸建てを探し始めて4年になるだろうか。ガーデニングを始める前から、マンションではなく、地面に近い所で生活したくなったのがきっかけだ。しかし、相棒maruの夢とガーデナーの理想を満たす地はなかなか見つからなかった。

maruは通勤圏内、駅から徒歩圏内、広いリビングを主張し、ガーデナーは東南側の日当たり良好な広い庭をひたすら追求した。正確を期すれば、条件を満たす土地はあったのだが、まるで予算が合わなかったのだ。またたとえ予算に合う土地を見つけても、それは琵琶湖をひたすら北上した山林の中であったりするのだった。そんなこんなで庭探しは半ば諦めていた所だった。

一年前の秋から密やかに分譲を開始していたその地は、まずmaruの目に止まった。しかしガーデナーは間取り図を見るや、「庭がない」と一蹴していたらしい。そして月日は流れ、人の心も移りゆく。

去年12月初旬にネットでmaruが再びその地を眺めていた時に、覗き込んだガーデナーが突如「ここ、いいやん」と言い始めたのだ。maruは椅子からずり落ちんばかりに喜び、資料を取り寄せた。

庭はほとんどないに等しいのだが、土はある。しかも東南側に人家はなく、広い道があるので綺麗に抜けているのである。何よりも日陰を作るあのうっとおしいブロック塀がない!

実際にクリスマス前に現地に行き、予想以上に気に入ってしまう。すでに住人であるイロハモミジとソヨゴが、陽当たり良好を保証してくれた。気に入ったのはいいが、先に問合せている人がいるとの事で、話は年をまたがなければならなかった。

待てば海路の日和あり。嬉しい知らせが飛びこんだのは、年が明けた1月半ばだった。

その時からガーデナーが気にしていたのは、一体どれぐらいの地植えスペースを確保できるのかと言う一点のみだった。突如「建築家」に変貌したmaruが、洗面所だ、ウッドデッキだ、コンセントの位置を変えるだの、ひたすら細かい打ち合わせをしている横で、ガーデナーはモミジの下に何を植えようか、塀に這わせるクレマチスは何にしようかと夢想していたりした。

そうこうするうち、2月半ばにめでたく契約の運びになった。もう手付け金も払った事だし、ちと公開してもよかろう。懸案のデッキスペースは現在こうである。

(左:ソヨゴのある南西側、右:南東側の塀の向こうにはイロハモミジ)

ガーデナーはこのままで全く構わないのだが、maruの強い希望でウッドデッキが入ってしまう。でも植えますを作ると言う主張が通ったので、かろうじて何かは植栽できそうだ。

あとは壁や塀に何を這わすか、目下思案中である。できれば塀の向こうにある南側の駐車場も壊したい所である(無理だろうけど)。でも日当たりがいいので、今まで育たなかったお花達を植えるのも夢ではなくなる。ああ、うっとり。

できれば家も今の半分ぐらいになってもいいんだがと、ガーデナーは頭の中で密かに庭を広げていたのだった。

(左:ソヨゴと南側の壁面、右:今度は南側のベランダだからね、デンドロビウム君。)

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てな訳で、引っ越しまで約一ヶ月となりました。そちらにエネルギーを取られ、なかなかブログまで頭が回っていないですが、しばらく「脱力系(?)」更新でなんとかしのいで行けたらと思ってます。

ぼやぼやしてる間に、3月17日で無事ブログ一周年も迎える事ができました。これも皆ひとえに訪問して下さる優しい皆様の御陰です。本当にいつも有り難うございますm(_ _)m

2年目を迎えても、あまり変わり映えのしない内容ですが、今後ともよろしくお願いします^ ^

週末ガーデナーより


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