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代表選考会 [ガーデニング]

***まず最初に断っておくが、これもあくまでもガーデニングの話である。***

皆さんはもう来春に向けて準備はされているだろうか?秋植え球根に種子、苗を発注されただろうか?ガーデナーも御多分に漏れず、日夜ああでもない、こうでもないと唸りながら過ごしている。

ネットショップの球根価格リストと綺麗な成長後の写真を見比べながら、支給されたお弁当を食べているうちに昼休みが瞬く間に過ぎる。寝る前にタキイのカタログのページの端を折りながら、「安いな」「高いな」と交互にブツブツ唱えているうちに、夢見心地になる。そうこうしているうちに園芸店からセールのお誘いとバラのカタログが届く。

少し前なら余裕を持って眺められたカタログ達も、今は真剣勝負で挑まなければいけない。どの子も魅力的でできれば全員お迎えしたい。しかし予算と場所とガーデナーの能力には限りがあるのだ。即戦力になる子、どこのポジションでもこなせる子、核になる子、目立たないが泥臭く他の子を支えてくれる子。こうした子達がばらばらではなく、組み合わさった時の相乗効果も考えてあわさなければならない。もちろん今いる子達との兼ね合いもある。場合によっては大きなボジション変更も有り得る。イビチャ・オシム監督に負けず劣らず、秋のガーデナー達は毎晩この代表選考会に苦悶しているに違いない。

それでは今夜、そうした選考会に勝ち残った精鋭達を発表する。

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自主性 [ガーデニング]

朝夕が過ごしやすくなってくると、ガーデナーもようやく客観的にベランダの子達を見る様になってきた。今までは自分の夏越しに精一杯で、植物達は生きていればいいぐらいの最低限の世話しかしていなかった事に今更ながら気付いたのだ。無事夏は越したが、見渡せば一面ぼうぼうである。

ある時からガーデナーは、ベランダの子達に「君達の自主性に任せる」と宣言していた事を思い出す。ああ、そうだ。7月半ばまでは、朝顔も誘引して、綺麗な緑のカーテンに仕立てると意気込んでいた気がする。しかしガーデナーは窓枠の頂点にたどり着き、尚もしがみつく支柱を求めて宙をさまようツルを見ると一転、「もう支柱はないからね。あとは君達の好きなようにしなさい」と、誘引を放棄していたのだ。今ではバラもシモツケも、思う存分自主性を発揮している。

(諦めて下に降りませんか、朝顔さん)

ガーデナーは、もとより自然樹形や自然な植栽が大好きである。アレンジメントでもついつい自然樹形にこだわり、もとの枝ぶりをそのまま使ってしまうので、「この要らない枝は落としましょうね」と注意されてしまう。でも要らない枝って、なんなのだろうかと、ふと思う。植物にとって要らない枝はあるんだろうか。

恩師も街路樹を見ては、さんざん嘆いていたのを思い出す。道路脇に四角く刈られた生け垣のアベリアの事はこう代弁していた。「アベリアは箱型になるために生まれてきた訳じゃないからね。でも伸びたらすぐ、業者さんが来て箱型に切っていっちゃう。」生け垣からはみ出すように、枝がぴんぴん伸びているのは、別にアベリアが悪い訳ではない。それがアベリアの自然樹形なのだと恩師は繰り返してした。

場所さえあれば、素人が自己都合で勝手に切るよりも、自然な枝ぶりを生かす方がずっと美しいに違いない。しかしイギリスよりも気候のいい日本では、植物の自主性にまかせると、「ナチュラル」を通り越して、たちまち「ワイルド」になってしまいがちだ。自然には見せたいが、荒れてはいけない。この境目はいつも微妙で、判断しづらい。

個々の自由は尊重するが、ある程度の規律はないと、全体としてのまとまりに欠けてしまう(注:これはあくまでもガーデニングの話である)。あまりがちがちに管理をせず、植物達の自主性にまかせるのが理想ではあるが、一体どこまで自主性を重んじるべきだろうか。そこが問題なのだ。

枝を広々と伸ばし、鉢が窮屈そうな子達を眺めながら、ガーデナーはいつも頭を悩ませている。

(もうすぐ秋剪定だね、シャウシャウ)


<速報>カノコユリ開花! [ガーデニング]

お早うございます!
興奮のもぎたて画像を皆様に。

****追記(7/31)****
旅行中に咲いて見られないかと思っていたら、出発当日の朝に、2輪も顔を見せてくれたガーデナー孝行のカノコユリ。感動の対面画像にたくさんのコメントを有り難うございました。昨晩はさらに2輪開いて、ガーデナーの帰りを待ってくれていました。高貴な甘い香りが漂っています。


近づきすぎて、花粉がついてしまいました。百合の花粉はとれませんので、皆様もご注意下さい。いや、取ったよと言う方、どうか裏技をご伝授下さい。

こんな綺麗に咲いてくれて、有り難う!
カノコユリとお日様に感謝です。
そして、留守中にご訪問頂いた皆様にも感謝です。有り難うございました!^ ^

週末ガーデナーより

*****一口メモ*****
カノコユリ(鹿の子百合) 学名:Lilium speciosum 「スペキオースム」は「美しい」の意。英名:showy lily 
日本語の名前の由来は、花弁の内側に鹿の子絞り状の紅色の斑点がある事から。日本、中国、台湾に自生。 開花時期は他のユリよりも遅く、7月中旬から8月中旬。花弁の直径は8〜10cm。原種のユリの中では病気にも強く、丈夫で育てやすい。オリエンタル・ハイブリッド系園芸品種の親の一つ。


お日様への手紙 [ガーデニング]

親愛なるお日様へ

お早うございます。ご機嫌いかがですか?今朝は5秒ほど、久々にガーデナーの小さな「庭」に挨拶に来られたので、飛び上がるほど嬉しくなりました。かなりの長期休暇を取られていますが、いかがお過ごしでしょうか?今日はその事でお手紙を致しました。

その前に、休暇中のご報告とお礼を一言申し上げたく思います。

まず、今日も早速採れたて新鮮キノコをお与え下さり、誠に有り難うございます。もう今月三回目の収穫となります。小ぶりではございましたが、お日様がお顔をお見せにならないので、とってもプリプリして元気です。唯一の不満と言えば、食卓の一品にならない事でございます。

またお蔭様で、初めて挿し木に挑戦したローズマリーが元気です。緑が生き生きとして、親木よりもむしろつやつやとしています。ついでに挿し芽したセージやギョリュウバイも無事に過ごしております。

それから、毎日の給水活動もせずに、ガーデナーは午前中ぼぉっと過ごす事ができています。これもお日様が休んで下さっているお陰です。いつやったか忘れる程の期間が空いても、うちの子達は萎れる素振りも見せません。カノコユリに鹿の子模様が浮き出てきました。足元にキノコ畑が広がっているので、今朝も水をやっていませんが、元気です。

さて本題の長期休暇についてですが、以前お日様にはこのようにお願いした事がございました。覚えておられるでしょうか?
****************
お日様へ
いつも園内を明るく照らして頂き大変感謝しております。ただお昼過ぎに園内からお姿をお見かけしなくなるのがとても残念でなりません。北側にもスペースがございますので、そこにもあと3時間ほどお立ち寄り頂くととても嬉しく思います。6月頃には早々とお休みを取られますが、夏は2時以降毎日お休み頂いて結構ですので、6月まではあまりお休みになられませんようお願い申し上げます。また夏期西側にお越しの際は、どうか5時以降にお願い致します。本当に毎日のお勤めご苦労様です。心よりお礼申し上げます。
http://blog.so-net.ne.jp/hanahana-slow-life/2006-03-25
*****************

こんな小さなガーデナーの願いをかなえて下さって、本当に有り難うございます。ガーデナーは耐暑性がありませんので、これまで実に快適に過ごさせて頂きました。

しかしです、お日様!ガーデナーはここで大いなる勘違いをしていた事を認めなければなりません。日本の夏、特にこの関西地方の夏は蒸し暑く、人も植物達も疲弊してしまいますが、やはり夏は暑くなければいけないと言う事です。そして、蝉の歌声で早朝から叩き起こされ、寝不足の眼でベランダに出て、眩しいばかりのお日様のお顔を毎日拝見するのが、夏であります。それなのに、こんなあさはかなお願いをお日様にしてしまった自らの愚かさ、軽率さに深く深く反省をしております。本当に申し訳ございませんでした。改めて謹んで撤回させて頂きます。

お日様、何卒早めにお休みから復活して頂き、休み明けは、是非思いっきりご活躍下さい。汗をたらしながら、また給水活動にいそしむのを今から楽しみにしております。ガーデナーが蜂さんより聞いた「小耳情報」ですと、今年は念のため低い位置に巣をかけていると言うんじゃありせんか。「念のため」と言う事は「台風に備えて」と言う事であります。とんでもありません!お日様にはお休み頂いた分、元気に頑張って働いて頂き、台風などと言う低気圧ごときに負けず、むしろ跳ね返して頂くぐらいの勢いがなくてはなりません。

お日様のお顔が拝見できるのを待っているのは、何もガーデナーだけではございません。日本列島に住む全ての生きとし生ける者が、お日様の恵みを待ち望んでいます!!

いつもささいなお願いまで聞いて下さる優しいお日様に、改めて心よりお礼を申し上げます。お日様のお力で何卒、日本の夏を取り戻せますよう、切に切にお願い申し上げます。

週末ガーデナーより


訪問客その後 [ガーデニング]

今日は朝から暑い。雲は厚いが、お日様の勢いが勝っていて、日が差している。でもバークのお陰で、昨日水やりをした子にはまだ水はいらなさそうだ。鉢の数が半分だけになると、余裕ができてゆっくり見てあげられる。しかし、今日ガーデナーが一番に挨拶したのは、シャウシャウでもサーヤでもなく、新しい客人「いも次郎」であった。

ふと見ると、昨日のバジル畑にはいない。「花園」用にと、隣にポット苗を三つ用意していたが、早くもそちらで朝食中だ。

ー おはよう、いも次郎。大きくなったね。
シャリシャリシャリ。
ー それ、花園用に用意してたんだけど。
シャリシャリシャリシャリ。
ー この本葉、形がいいし、美味しそうだなあって思ってて、、、。
いも次郎、一休みして、伸び。
ー やっぱり、美味しいよね。
シャリシャリシャリ。
ー あんまり食べると日陰がなくなるし、食糧難になるからね。餓死しても知らないからね。
シャリシャリシャリシャリ。伸び。

ガーデナーの言う事に反応してるのかどうだかわからないが、いも次郎は一つ目のポット苗の本葉が終わると、次のポットに移動した。全部は食べ尽さず、大きな本葉から食べているようだ。小さなコンテナのバジル畑もまだ新芽は残っている。でもこのペースだと、本葉が育つよりバジルがなくなる方が早いんじゃないだろうか。

ガーデナーは、今日急遽出かける事になり、そのままにして出かけた。いも次郎は各ポットに1つずつ、本葉苗を残し、3つ目のポットに移動していた。

このままだと食糧難になるのは、時間の問題である。バジルを食べ飽きたら、どうするつもりだろう。急遽バジル苗を取り寄せても、来る頃にはもうバジルを食べ尽くした後で餓死しているかもしれない。今から種を撒いても、発芽して本葉が出るまでには一週間はかかる。どう考えても、いも次郎の前途は暗かった。

夕方ガーデナーが帰ると、いも次郎の姿がない。二つのポット苗の本葉は何一つ残っていなかった。三つ目のポットには一部本葉がかじられた後があるが、大半は残っている。一体どこへ行ったのだろう。

周辺を捜索したが、どこにも姿は見当たらなかった。ガーデナーのベランダには、バジル以外に、いも次郎が喜びそうな食材はない。誤って転落したのだろうか。しかし、何の痕跡もなかった。

蝶の幼虫が成虫になるのは、かなり確率が低いらしい。昨日の検索結果、アゲハの場合は60〜70匹幼虫がいても成虫になるのはわずか1匹だとあった。自然界の掟は厳しい。ベランダはちょうど電信柱と同じ高さなので、鳥の目線に近い。羽も持たず、バジルの本葉を食べ過ぎて、身を隠す所のなくなったいも次郎は、鳥さんにとって格好の「新鮮食材」である。

オールドローズ達に葉水をやりながらも、葉の隙間や鉢の周辺をもう一度目で追っていた。ガーデナーはもう間引きする必要のなくなったバジルを眺めながら、なんとなく一抹の寂しさを覚えるのだった。


シャウシャウ、いも次郎、どこ行ったか知らないよね。


訪問客その2 [ガーデニング]

今日も朝から、引き続きどんよりとした鉛色の空だ。ここの所の激務がようやく落ち着いたが、ガーデナーの頭も体も天気と同様どんよりしている。「花園」に行く元気もなく、午前中は惰眠をむさぼっていた。ようやく元気が出たのは、お昼過ぎに母の電話で起こされてからだった。

この季節になって、ガーデナーの小さなベランダにたくさんの訪問客が来るようになったのは、前にも記事に書いた通りだ。三日前、夕方にバラに葉水をしようとベランダに出た時に新顔の客人を見る。ノエル君の蕾がついた初々しい新緑の枝に、あまりにも目立ちすぎるオレンジと黒。小さな蜂のようだった。そしてオレンジのお尻を枝に突き刺している。これは産卵ポーズに違いない。見た事がなかったが、これがかの有名な、ロザリアンの間で忌み嫌われているチュウレンジバチであると、さすがにうといガーデナーも気がついた。とりあえず手に持っていた活性液スプレーをかけて、反応を見たが、その場に固まり大人しくなった。割り箸でそうっとつまんでみたが、特に抵抗する事もなく御用となった。ネット検索すると、確かにそれはチュウレンジバチだった。新枝に産卵するが、枯らすまでの被害はないらしい。翌朝見ると、確かに傷跡がついていた。(黒い点が二つ付いている所)

所々色々な子達が葉を食べられていたり、花や蕾を食べられている跡を見つけるが、現行犯でなければ、ガーデナーはそのまま放置している。つまりよほどどんくさくなければ、虫さん達はベランダで楽しく暮らしているのだ。ノエル君の所にはシャクトリムシみたいなのがいたが、それはあまりにも目立ちすぎたのでご退場願った。

先週ぐらいからバジルの本葉が見え始め、立て込んできたので、間引きをするようになった。間引きしたカイワレ状のバジルは、トマトに乗せておいしく頂いていた。

しかし昨晩、ガーデナーが間引きをしていないのに、妙にすかすかして風通しがよくなっているのに気がついた。風通しがよくなると、ガーデナーより一足早く、おいしくお食事している客人の姿がよく見えるようになった。この衝撃画像は後ほどご紹介する。

今日は、元気が復活してから、ほぼ2週間放置していたポット苗達をようやく植え替える事にした。斑入りのシモツケの下葉が枯れ始めている。ギョリュウバイを植え替えるつもりで用意していた鉢に、シモツケを緊急植え替えすることにした。葉がもみじの様になっているのはシモツケソウと聞いたが、これは本当にシモツケの方なのか少し疑わしい。どちらでも好きな花だから構わないのだが、無事ベランダの夏を過ごしてくれますように。

そして、先月お迎えしたミニギボウシと約2週間前にシモツケと一緒にやって来たイカリソウを、朝顔の下草として植え替える事にした。植え替えついでに、恩師に習った「簡単株分け術」を久々にやってみる。バケツに水を用意し、土を予めある程度落とす。それから苗を手に持ち、水につけているうちに、簡単に自然に株が分かれてくれる。同時に草も取れるし、無理がなくていい。但しあんまりやりすぎると「株分け病」になり、何株もできてしまって植える所に困るので少し注意が必要だ。ミニギボウシは4株に分かれてくれた。

イカリソウもやってみたが、まだ分かれてはくれなかった。二株買っていたので、一株は「花園」に植える事して、残り一株は朝顔鉢に植え替えた。本当はナルコユリも植え付けてみたかったが、もうスペースはなさそうだ。

今日の作業はこれぐらい。ポット苗が一つと鉢が一つ減ったので、少し置く場所もゆとりが出来た。あとラベンダー、朝顔、スキザクリウムの実生苗と残りのイカリソウも「花園」に行くので、またゆとりができる。天気がぐずついているうちに早く植え替え作業を終わらしてしまおう。予定ではバジルの苗も一部「花園」に持っていくはずだったが、緊急事態が発生した。バジルの方はしばらく様子を見る事になりそうだ。

*****
とりあえず、ここで終わるが、どうしてもバジルに来た訪問客の正体を知りたい方だけ、次を読み進めて頂きたい。虫が嫌いな方、特にチョウやガのお子様が苦手な方はご注意下さい。珍しくピントが合っています。

それでは、続きをどうぞ。

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水やり [ガーデニング]

今日の天気は晴れ。朝からお日様を見るのは三日ぶりだ。ベランダの子達に、ガーデナーが水をやるのも三日ぶりである。

週末からずっと朝早く出かけ、夕方に帰る生活だったので、ガーデナーは「心の本業」であるガーデナーに戻る暇がなかった。天気が悪かったとは言え、軒下では雨がかからない。そこでガーデナーは、少し頼りない相棒maruに最低限の水やりを指示して出かけていた。

すなわち、
1.まず鉢に人差し指を突っ込み、湿り気を確かめること。
2.湿っていたら水をやらないこと。
3.水をやる場合は、鉢の底から水が溢れ出るまでやること。
以上、「水やり三箇条」であった。

これは最低限の水やりであって、最善ではない。しかし以前、ガーデナーが普段やっている通りに指示書を書いていたら、A4サイズ一枚にも収まらず、maruがそれを見て発狂しそうになっていたので、以来頼む時はこの三箇条だけに絞る事にした。とは言え、水やりの時間はガーデナーにとって、単なる灌水の時間と言う訳ではない。

ガーデナーに時間のゆとりがある時は、水やりの時間は、潅水と同時にガーデナーがベランダの子達とコミュニケーションをとる大切な時間でもある。水をやりながら、皆に声をかけ、調子を見て、枯れた葉や花がらを取り除き、アブラムシの入場制限をし、新芽や花芽を見つけては喜び、元気がなければ必要な処置をする。この頃は水をやる量も増えているので、小さなジョウロで何度も往復していると、最長で一時間、最低でも30分はかかるようになってしまった。

毎日必要な処置ができていれば、それほど手間はかからないのだが、今回の様にしばらくほったらかしだと、手当にもっと時間がかかってしまう。忙しい時は灌水だけで終わってしまう事も多い。しかし潅水だけの時もただの水道水だけをやっているのではなく、活性液を希釈倍率分入れている。蘭の2鉢だけはその濃度が異なる。ハーブ達には美味しくなる様にと浄水を使い、活性液は使わない。液肥はペットボトルに固体有機肥料と水を入れ、一週間熟成させたものを使っている。液肥のタイミングを忘れないように、ガーデナーは週末の時間がある時にやるようにしている。

俗に「水やり三年」と言うらしいが、確かに単なる水やりだけでも、環境や、植物や、鉢の種類や、土によって全く乾き方が違うので難しい。また季節や、微妙な天候や気温の変化にも左右される。厳密にその植物に最適な水やりを追求しようと思えば、それだけかかってしまうのだろう。だが難しく考える事はない。上記の三箇条さえ守っていれば、決して枯れる事はないのだ。

7月に入り、いよいよ夏も本番になってきた。去年の夏には一泊旅行しか行かなかったが、今年は二泊も予定してしまっている。こういう時にいつも自動水やり器を買うべきがどうか迷う。いざと言う時のために、アナログな水やり装置(ペットボトルに取り付ける紐のような給水芯)は用意しているが、まだ試した事がない。果たして今年の夏は無事越せるのだろうか。

来るべき夏休みを楽しみにしながら、同時にガーデナーは、今からベランダの子達の安否を気遣い、内心とてもハラハラしている。


いつの間にかこんなに伸びていた西洋朝顔


訪問客 [ガーデニング]

その美しい客人が、ガーデナーの小さなベランダを訪れたのは、梅雨空の合間に晴れたある風の強い土曜日の午後だった。

梅雨と暑さは、ガーデナーのベランダに様々な訪問客を連れてくるようになっていた。どこの住宅情報に載っていたのか、クモの新築物件が次々と建てられている。アブや蜂がオールドローズの香りに誘われてくると、同時にゾウムシやコガネムシもやって来た。常連客のアブラムシ様にハダニ様やウドンコ様達は、シャウシャウ、ノエル君がお気に入り。ウドンコ様に至っては、更にシモツケもお気に入りでなかなか離れて下さらない。

ガーデナーがいつもの通り見回りをしながら、潅水をする。暑さでシャウシャウが疲れて見える。蕾はたくさん付けているものの、開花したら3cm大のミニバラである。ハダニ様やウドンコ様の勢いに押されているのだろうか。

隣のサーヤは元気一杯に先月より花をつけている。しかしあっという間に咲き開き、すぐに花がらを摘まなければ花弁が床に散乱してしまう。

一通り見回りが終わり、ベランダが日陰になった午後から写真撮影を始めた。晴れた日は朝7時ぐらいでもすでに暑く、眩しすぎる。休日は起床時間が遅れるので、玄関の扉を開けると、目も眩むほどだ。午後の日陰の中でも、光は十分な気がする。

ちょうど、朝顔の決勝リーグの模様を撮っていた時だろうか。背後に激しくパタパタと羽音が聞こえた。コガネムシ様でも蜂様でもないようだ。振り返ってもその姿はなかった。気のせいかと思い、今度は視点を変えて、美しくドレスをまとったサーヤを見やると、その葉と葉の隙間から美しい文様が透けて見える。風に飛ばされないよう、防風ネットに必死にしがみついていたのが、その美しい文様の持ち主だった。

いつぞやの、サーヤの香りに誘われてやってきてしまったアゲハチョウだろうか。カメラを向けていると、慌てたのか、パタパタと羽音をたて、テーブルの下をくぐり、手前のシモツケが置いてあるイスの角にその美しい羽を休めた。まるでガーデナーが見やすい位置にわざわざ奥から出て来てくれたようだ。

そうっと遠方から、その美しい客人を驚かせないように、カメラを向ける。右下の羽がない。パタパタしていたのは、バランスが悪くうまく飛び立てなかったせいなのだろう。はあはあと肩で息をつくように、羽を動かしている。こんな至近距離で拝む事がないので、ガーデナーは息を殺し、にじり寄りながら、シャッターを押してみた。傷ついた客人は何か警戒しながらも、飛び立てないでいるようだった。

ふとガーデナーはカメラを置き、ベランダの花を見やった。傷ついた旅人を介抱するような花が今は手元にない。バラは八重咲きで客人のストローが通るかどうかわからないし、あとは小さなフウロソウやバコパぐらいだ。試しに中心が開いて咲ききっていたサーヤを摘み、そうっと客人の横に置いてみた。客人は少しびくついた様子で、でも飛び立つ事もできず、横にカニ歩きをして椅子の端の方に移動してしまった。とにかく今は静かに休んでもらおう。

一旦ガーデナーは写真を撮るのをやめ、部屋に引っ込む事にした。しかし気になる。昔モンシロチョウを砂糖水でおもてなしした事を思い出し、ガーデナーは早速砂糖水を用意した。ティッシュに染み込ませ、客人の前にそろそろと差し出してみた。無反応。ガーデナーは午後からの作業を中止し、客人の様子をドア越しにちらちらと伺う事にした。しかし、ガーデナーの出した「粗茶」は口に合わない様子だった。

梅雨空の翌朝、ベランダに出ると客人の姿はない。最初に見かけた防風ネットの場所に移動していた。バランスがとれず、また休んでいるのだろうか。

夕方ガーデナーが帰宅した時には、もうどこにもその姿は見当たらなかった。雨足が強かったが、無事外に飛び立てたのだろうか?またもう一度あの姿を見せて欲しいものだ。ガーデナーは花達を見回りながらも、あの美しい面影をなんとなく探していた。



<号外>サーヤ再び開花! [ガーデニング]

全国の皆様、蒸し暑いですね。号外って、またかと思われた方も、初めての方もどうか立ち寄って見てやって下さい。うちのサーヤがまたまた一気に咲いてくれました。ほぼ一ヶ月ぶりでしょうか。この甘いティー香と言われる芳香を嗅ぐと本当に癒されます。

先月は日照が少なく、香りもそんなに強くはなかったのですが、今月は梅雨入りしてから、関西地方ではカラ梅雨が続き、今回は先月に比べ色も香りも濃厚です。水やりをするとふあっと、甘い中にもわずかにフルーツ香が混ざった香りが漂ってきて、幸せ気分に包まれます。昨日は一つ蕾がほころびかけていただけなのに、今朝起きたらもう一気に3つぐらい開花です。どうなっているのかと目を疑いたくなるような早さです。昨日は午後から、これでもかというぐらいの大雨が降っていたのに、気温が高いからでしょうか、咲いてしまいました。とにかく見てやって下さい。



大きさ自体は春の花と比べると、やや小ぶりです。でもすっかりベランダが華やぎました。フウロソウも昨日より倍増しています。朝、蕾を見せると、ガーデナーの作業中に咲いてしまっている勢いです。

あまりの嬉しさに、ガーデナーは園芸店に行って、ワイルドストロベリーをお迎えしてしまいました。いや、これは以前から計画していた事です。園芸店の1000円券がもうすぐ期限切れになると言う事で、「想定範囲内」の行動です。決して衝動買いではありません。ええ、断じてありません。

この幸せ気分がドイツの日本代表にも届いてくれるといいですね。明日からは仕事も忙しくなってしまい、またブログの更新もとびとびになりそうですが、この勢いで乗り切りますよ。日頃の感謝を込めて、皆さんの所にも「幸せ気分」が届きますように。^ ^

週末ガーデナーより

****追記****
ワイルドストロベリーの「幸せオーラ」は、achamiさんのブログで感じて下さいね。→http://blog.so-net.ne.jp/achami-love/2006-06-10


芝生と雨 [ガーデニング]

園芸大国イギリスと言えば、サッカー発祥の地。この地で生まれたスポーツには必ずと言っていいほど、芝がしかれている。

初めてイギリスに行ったのは、もう随分前の夏だった。薔薇の季節は終わっていたが、サッカー場のように青々とした芝生は、街の公園でもビロードの様に美しく輝いていた。

そしてイギリスで思い出すのは、降っているのかいないのかわからないような量で常に頭上から落ちてくる雨。この地で生まれたスポーツに雨天順延がないのもうなづける。雨天を避けていたら、永遠にゲームは始められないだろう。常に雨が降っているくせに、降雨量は日本と比べると驚くほど少ない。日本なら庭に地植えをすれば、植え付け時以外、水やりの心配はほぼ要らないが、イギリスでは常に水やりを心配しなければならないそうだ。南イングランド地方では、全体的に水不足なので、庭への潅水量を制限する事さえあると聞く。

そんな雨量の少ない中、あの青々とした芝生を保つのはさぞ大変であろう。カレル・チャペック著の「園芸家の12カ月」にも次の様に書かれている。

アメリカの大富豪が、どうしたらこんな美しい芝がつくれるのか秘訣を教えてくれと言うと、イギリスの地主はこう答えたと言うのだ。少し長いが引用する。

「それは、ごくかんたんです。土をよく深く耕すんです。水はけのいい、肥えた土でなくっちゃいけません。(中略)それから、その土をテーブルのように平らにして、芝の種をまいて、ローラーでていねいに土をおさえつけるんです。そして毎日水をやるんです。芝がはえてきたら、毎週、草刈り機で刈って、刈り取った芝を箒で掃いて、ローラーで芝をおさえるんです。毎日、水をかけて湿らせるんです。スプリングクラーで潅水するなり、スプレーするなりして、それを300年おつづけになると、わたしんとこと同じような、いい芝生ができます。」

誇張があるとは言え、読んでいるだけで、気が遠くなるような努力だ。日本だと暑さもあるし、反対に雨が多いので、芝の色は焼けて、たちまち草が繁茂し、美しい芝生どころではないような気がする。とは言え、イギリスのお宅のバックヤードで見かけた、芝生の上を犬が走り回っていた光景に、ガーデナーは淡い憧れを抱く。

イギリス人の恩師ポール・スミザーさんのガーデニング講座を受けていた時に、外で説明を受けていたら、にわか雨が降り出した事があった。慌てて軒下に避難しながら、皆口々に雨に対する不満をぶつけていた。しかしそれとは対照的に、ポールさんはむしろ羨望の目で雨空を見上げていた。

「こんな雨を見ると外国に来たって気がするね。イギリスでは嫌がらせみたいな雨しか降らないから。」

世界各国ガーデナーと言うものは、きっと常に自分の土地にはないものを求めて羨ましがっているのだろう。梅雨空はうっとおしくはあるが、植物達が青々と育つ大切な季節でもある。園芸種であろうが、雑草とよばれようが、植物の上に等しく雨は降り注ぐ。水やりもさぼれるから、たまにはいいかなとガーデナーは、朝からざあざあと降り注ぐ雨と鉛色の空を眺めながら思った。


芝生に生えていたニワゼキショウ

*****参考記事(追記)*****
カレル・チャペック「園芸家12カ月」については、春分さんが丁寧に解説されています。是非ご参考に!→http://blog.so-net.ne.jp/shunbuntei/2006-01-22

園芸家12カ月

園芸家12カ月

  • 作者: カレル チャペック
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1996/03
  • メディア: 文庫


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