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冬の貴婦人 [ガーデニング]

うちにもついに「冬の貴婦人」がお目見えした。思い起こせば、クリスマスローズと言う華やかな名前に対し、「なんか地味だな」と言うのがガーデナーの花を見た時の第一印象だった。

最初にガーデニングを始めた頃は、こんなバラとも似つかない花が、バラの大苗を上回る値札で売られているのが全く理解できなかった。季節が巡り冬枯れの庭の寂しさを味わうにつれ、その希少価値がようやく実感できるようになった。

ビオラ、パンジー、シクラメンで冬の花壇を鮮やかに彩るのもいいが、今年は敢えて土肌が見える「冬枯れ」の景色を選んだ。冬の景色が寂しければ寂しいほど、春の芽吹きが眩しく美しいからだ。うら寂しさの演出には、枯れたタカノハススキやパニカムを3月ぐらいまでそのまま残す。モミジの枯れ葉はマルチングとして取らない。敷き詰められた落ち葉から、小さな球根が目覚め始め、春の到来を告げる。

と、ガーデナーの思い描いた通りになったのに、いざ1月になるとあまりにも寂しい。デッキ内はカリシナ姫もいて、華もあるが、外の花壇は寂しさを通り越し、みすぼらしくさえある。ここに冬の貴婦人が凛として立っていてくれたら、冬枯れの景色が完成しないだろうか。それどころか、早春の調べまでも奏でてくれるに違いない。

園芸店からのセールのお知らせに心踊らせ出かける。この時期からクリスマスローズの開花鉢がどんどん出回り始めるのだ。ここ何年かのうちに色も形も華やかに改良され、貴婦人よりむしろ女王の風格さえ漂うものもある。

種類が多ければ多いほど迷う。値札を見るとさらに混乱する。その数字が何に比例しているのかよくわからない。色と形もあるが、増やし方にも関係があるのは聞いた事がある。昔は実生でちまちまとしか増やせなかったので、数も少なく高かったのだが、バイオテクノロジーの発達で大量に増殖が可能になり一部安い苗も出回るようになったと、恩師ポールさんが言ってたっけ。が、大量の苗の前にしてはそんな知識は無用だ。一旦お茶をして心を落ち着けてから再度吟味する。

相棒maruと一鉢ずつ気に入った苗を発表する事にした。「これ、好きやねんけど」とmaruが選んだのが、原種のリビダス。確かこれは栽培が難しくなかったっけと躊躇するが、清楚な立ち姿に心魅かれる。

「私はこの子」とガーデナーが指差したのは正真正銘、元祖クリスマスローズのニゲルである。値札が少し気になったが、こう言う出会いは大切にする事にしている。

(←リビダス、あとで調べたら原種の中では比較的育てやすいらしい。→ニゲル、白花だが、花後はピンクを帯びてくる。)

二鉢をデッキの植えますに仮置きすると、にわかに春めいて来た気がする。外に植えるつもりが、こうして見るとやっぱり手元に置きたくなってきた。外は丈夫な園芸種オリエンタリス(ヒブリドゥス)に任せる事にして、この子達にはここにいてもらおうかな。ガーデナーは更に貴婦人獲得をもくろむ事にして、リビングからにやけた顔をクリスマスローズに向けるのだった。


(蕾マニアのあなたに^ ^)


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お元気でしょうか?

クリスマスローズ、今日、撮ってきました、
明日、載せますね。
by (2008-01-23 18:32) 

蕾、カワイイ!
とても素敵なクリスマスローズですね!
私もクリスマスローズ大好きです^^
種から育てているのでお花に出会える日が程遠いですが
それもまたとても楽しみです☆
by (2008-01-23 21:07) 

フク

渋いけれども貫禄のあるクリスマスローズですね。
花弁の厚みでしっかりとした存在感を感じます。

年俸は選手の価値を表す一つの指標なので、どんどん獲得していきましょう!!
by フク (2008-01-23 22:19) 

Riyo-Lyon

リビダスって、花のつき方や葉っぱがシクラメンにそっくりですが・・・
仲間ですか??
クリスマスローズって、こんな花なんですねえ。
ホントにあたし、なんにも知りません(A´ω`;)
by Riyo-Lyon (2008-01-23 22:31) 

achami

うちの子は、一年株をかなーーーーり前に、なんと!!300円くらいで買った子です^^
今年ももうすぐその素敵な姿に逢えます♡
by achami (2008-01-24 00:13) 

チョコまる

ついにクリスマスローズにも手を出しましたか^^
うつむいて咲くのがなんだか寂しげで、自分では購入しようと思ったことはありません。…花はきれいなんだけどなぁ。
by チョコまる (2008-01-24 14:19) 

ゆうこ

せりさん、こんばんは(^^)

クリローお迎えしたんですね。
原種からだなんて、渋いわぁ。
リビダスとニゲルは交雑するので、交配して新しいお花を作ってみるのも楽しそうですね。
どちらも他のお花と調和するタイプなので、せりさんのお庭にはぴったりかも。
そのうちハイブリッドに目がいき出すと・・・そこは危険地帯ですよ(笑)
by ゆうこ (2008-01-24 23:27) 

ビアンカ

クリスマスローズって、木の柵に似合いますね。ウチのフェンスじゃなんかしっくり来ないなあ。
今年はバラの鉢植えに挑戦してみようかな、と思っていますが、さてどうなることやら・・・。
by ビアンカ (2008-01-25 00:17) 

絵瑠

せりさん、こんばんは。
とても素敵なお花さん達が来られましたね。
先住の他の子達とも仲良しになれそうですね^^
by 絵瑠 (2008-01-25 00:52) 

こももにゃん

うふふふふ~♡
せりさんもクリスマスローズにはまっていくかしら~?(^^)
うちのリビダスとニゲルはまだ咲かないのですが、蕾があがってきているのでこれから楽しみな感じです。
原種もいろいろと素敵なものが多いんですよね。
でも今の時期から春にかけて素敵な花で冬の庭を彩ってくれるので、やっぱりクリスマスローズはいいなぁと思います。
そしてやっぱり実生の魅力・・・たまりません♪
by こももにゃん (2008-01-25 01:59) 

せり

>皆様へ、いつもご訪問&コメントありがとうございます。今週は頑張って更新していますが、いつまで続くやら、、、(^_^;)

*こうちゃんさんへ ご無沙汰してます!先程ちらっとのぞきに行きましたが、新しいブログを立ち上げられたんですね@ @素敵なお写

真お待ちしています♪

*ゆっちょすさんへ 丸っこい蕾は可愛いですよね♡ゆっちょすさんは種から育てているんですね@ @種を播いたのにうまく発芽しませんで

したし、頂いた苗も花芽がまだつきません。2年ぐらいになるかな?時間はかかりますが、それだけに待ち遠しいですね(*^_^*)

*フクさんへ 両種ともよくある園芸種と花や葉のつき方が違うので見ていて面白いです。園芸種は暑さにも比較的強いので欲しいのです

が、迷ってしまい獲得できませんでした(^_^;)なるほど、年俸が高いのはそれだけの価値があると言う訳ですね。寒さにめげず足しげく視

察することにしますv

*Riyo-Lyonさんへ 分類によるとシクラメンはサクラソウ科で、クリスマスローズはキンポウゲ科。クレマチスもキンポウゲ科なので、そちらの方に近いと言えます。でも写真を見るとなんかシクラメンっぽいですねvリビダスは葉の模様や花の付き方が、よくある園芸種のクリスマスローズと違うので、そんな雰囲気がありますね(^-^)

*achamiさんへ おお@@すごいですね♪買い物上手な上に育て上手ですねvチビ苗から育てるととっても時間がかかるのですが、それだけに花に出会えた時は喜びは格別でしょうね。おまけに花色もわかりませんから、なおさら楽しみです♪

*チョコまるさんへ 私も最初はそうでした(*^^)vバラに比べて高いわ、地味だわって印象でした。一鉢だけあっても寂しいかもしれませんが、地植えにして大株になると見応えがあります。まあ、冬は少し静かな花の方が合うし、春の華やかさと対照的な方がいいかなと。ニゲルなど一部の品種は顔を上げて咲きますよ。いかがですか??(^_-)

*ゆうこさんへ ご無沙汰してます!ふふふ、ついにクリローへの禁断の扉を開けてしまいました(*^_^*)本当は普通の園芸種を探しに行ったのですが、種類が多すぎて踏ん切りがつかなかったのです。凛として存在感はあるのに他の植物と調和していける、生き方のお手本にしたいようなお花ですね♪交配までできるかどうかわかりませんが、また色々と教えてくださいね(*^^)v

*ビアンカさんへ 和風でも洋風のお庭でも合うクリスマスローズなので、きっと大丈夫ですよ(^^)vクレマチスと同じキンポウゲ科ですし、そちらとのコラボなんてどうですか??お、バラの登場ですね。バラは手をかけてもかけなくても咲いてくれるので、いいですよ~♪また是非ご紹介くださいね。

*絵瑠さんへ いつも絵瑠さん家のクリスマスローズを羨ましく眺めていました。あんな風に大株に育ってくれるのが夢です。成長が遅いですが、じっくりとつきあっていきたいお花ですね(*^_^*)

*こももにゃんさんへ この二鉢をきっかけに何かがはじけそうです(^^ゞ何かと原種好きなんですが、クリスマスローズは原種の方が育てにくい印象があって、園芸種から始めたかったんですが、こんな事に、、、;まだ実生で成功していないのですが、こぼれ種で増えてくれないかなあなんて事も思います(*^^)v

*takagakiさんへ nice!をありがとうございます。
by せり (2008-01-25 15:11) 

Ryu

本当に冬の貴婦人という雰囲気が有りますね!昔の貴族のご婦人方がこの花をイメージして豪華なドレスを作ったのではないのかな…なんて想像してしまいます。芸術品ですね、花ですが!
by Ryu (2008-01-26 13:07) 

いむら@fintopo

冬枯れの景色、いいですよねぇ。「一年中花いっぱい」というより、冬は冬らしいほうがいいだろう、と思います。
でも、確かに、みすぼらしいです。「寂しい」なら、まだいいんだけどなぁ。どこに差があるのやら・・・今年もまだまだやることは多そうです。
by いむら@fintopo (2008-01-26 17:16) 

せり

>Ryuさんへ コメントを有難うございます(^-^)貴族のドレス、なるほど、「冬の貴婦人」の由来はそういうイメージから来ているのかもしれませんね♪最近一層華やかなドレスをまとった貴婦人が高価な値札と共に並んでいるので、いつもうなりながら眺めています(^_^;)

>いむらさんへ コメントを有難うございます♪四季が感じられる庭を目指すと、冬は冬らしく枯れた景色を思い描くのですが、、、(^_^;)現実はなかなか格好よくきまりませんね。最初の骨格部分がしっかりしていないからなのか、常緑の植物の配置がなっていないからなのかと、悩みはつきません。今年もまた勉強ですねv
by せり (2008-01-26 20:46) 

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