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つつじの丘 [花寺]

GW中は花壇の手入れや植栽をする一方、近場で花めぐりをするいい機会でもある。平等院の藤が有名なので、今年も張り切って出かけたら、あいにく6年ぶりの不作で房がやせ細っていた。それなりに綺麗ではあるのだが、昨年は見事な藤色のカーテンを拝めただけに、少し寂しい。

 

それならばと、出向いたのが花寺の三室戸寺(みむろとじ)である。紫陽花で有名な寺だが、ここのツツジやシャクナゲも見応えがある。昨年は引っ越ししたてで、よくわからず、なんとなく行ってみたら、その量感に圧倒され、興奮してシャッターを押しまくっていた。今年は母親を連れ、少し冷静にツツジを鑑賞しようと出かけていったのである。

 

どうもシャクナゲが満開と少し前にテレビ番組で放映していたらしく、母はツツジよりもむしろシャクナゲに関心があるらしかった。10年前の京都の庭を特集したポケット写真集も携え、おもむろに三室戸寺の箇所を見せる。枯山水と池泉庭園が掲載されていた。ガーデナーと違い、そんなにテンションは高くない母だが、カメラも持参している所を見ると、かなりの期待感が伺えた。

 

山門までのアプローチで、左手にはベニバナトキワマンサク(写真←)、右手はゆるやかに上がっていくほどに、ツツジの丘が目に入ってくる(写真→)。その量感、広さは知っていても目を奪われる。今週は夏日が続き、暑さを心配していたが、ちょうど花曇りで、境内はひんやりとして、心地いい。汗ばむ事なく、ゆっくりと散策できそうだ。

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境内は広く、まるで巨大な迷路のようである。とりあえず、写真集にあった景色の所へと母親を案内する。と言っても、あちこちからツツジが微笑みかけてくるので、立ち止まっているうちに、結局ガーデナーが母親の後を追いかけて行くはめになった。

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石庭、池泉の庭園を巡って、橋の所に出てくる。左手にはシャクナゲの谷と矢印が示してあったが、後で行く事にして、橋を渡り、ツツジの丘へと向かった。上っていくが、途中で行き止まりになっている。どうやらシャクナゲの谷から回らないと上からの眺望は拝めないようである。降りてくると、お茶屋さんがあったので、混雑する前にと、少し早めの腹ごしらえをする事にした。

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(途中まで登れたつつじの丘、右手にあるのが期間限定で開店しているお茶屋さん、手前の緑は紫陽花)


腹ごなしに別ルートをたどって、また池の所にやって来た。「あれ?さっき行った所は??」と母親も混乱していたが、池には複数の経路がつながっている。別角度から景色を見るのも新鮮だ。通り道の花を眺めながら、写真集にあった箇所に辿りつく。

(←写真集にあったアングルを真似る、→モミジの赤葉も印象)

 

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またシャクナゲの谷への分かれ道に来たので、今度は左へ曲がり、上へ上へと登る事にした。ゆるやかだが、かなり上の方まで道は続いていた。シャクナゲは、花が咲いているものは、見頃を過ぎていて、咲いていないものは固い蕾のようだった。花時と都合を合わせるのは難しいものだ。

 

高度がちょうど本堂や三重塔と対面できる所まで辿りついた。こんなに上の方から眺望できるとは思わなかったので、その壮観さにガーデナーは喜んでシャッターを押す。満開の頃はシャクナゲ越しに見られただろうが、十分満足である。

 

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道なりに行くと、さっきは行けなかったツツジの丘の頂上から、下って行ける道が開けていた。最初から、この道を行けばよかったと巨大迷路に迷ったガーデナーは反省したが、母親はちょっとしたハイキング気分を満喫していたようだった。

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しかし、かなりの距離をすでに踏破したので、もう本堂まで上がる気力はなかった。迫力のツツジの大群にガーデナーも母親ももう満腹状態である。

 

行きは横着してタクシーで上がってきたので、帰りはゆるりと宇治川まで下りながら散策する事にした。通り道にはお茶屋さんやあられ屋さんがあり、寄り道する所には事欠かない。もう一年分のツツジを堪能したガーデナーと母親は、「綺麗やったなあ」と上機嫌で三室戸寺を後にした。

 

(撮影:5/1)

 

***おまけ***

去年は5/13に行っていました(その時の写真↓)。今回のツツジはまだ満開ではなかったので、これからが見頃です。機会があれば、ご体験下さい^ ^

ツツジ0001.JPG

 

 


花寺巡り〜紅葉編〜 [花寺]

イルミネーションと呼ぶにはあまりにもデザイン性に乏しい鎖状の電球達が、駅前の枯れ木に絡み付き、青白い光を放つようになった。暖冬のせいで、こんな季節になってもまだかろうじて紅葉を楽しむ事ができた。

これからお庭巡りもしばらく冬眠状態になりそうだが、まだ紅葉が見られるだろうと今まで行けなかった花寺に出かける事にした。今回の花寺は、紫陽花や蓮で有名な京都の宇治市にある三室戸寺(みむろとじ)。直線距離にするとガーデナーの家からは意外と近い所にあるのだが、実は淀川が横たわっているため、公共交通機関を利用するとかなり時間がかかる。ただ京滋バイパスが名神高速とつながり、車だと以前よりもずっと行きやすくなっていた。(ちなみに映画「踊る大捜査線2」で撮影された”レインボーブリッジ”は、バイパスの久御山JT付近です。)

しかし心理的に遠いと、近くなったと言われても実感がわかないものだ。今回車で行ってみると例の宝塚に行くのと時間的に変わらなかったので、ちょっとびっくりした。実際に足を踏み入れると、何故もっと早く来なかったのかと後悔の念に駆られるほどであった。受付で拝観料ならぬ入山料を払い、山門に向かう。時期が良ければ、右手に溢れんばかりの紫陽花が一面に見られるはずだ。今は咲き始めたサザンカの生け垣の向こうに広がる敷地に、延々と黄変した株が見えるばかりだった。しかし紅葉はまだ健在である。

山門をくぐり、眼下に回遊式庭園を見ながら歩くと、左手に石庭が現れる。時間が2時半を過ぎていた事と、師走だからか、紅葉を楽しむ客はちらほらとしか見かけなかった。ひたすら静かな庭園を歩き、紅葉を愛でる。(写真上段:紫陽花とツツジが楽しめるはずの庭園、二段目左:石庭、右:ドウダンツツジの紅葉)


ようやく本堂に向かう階段に辿り着いた。あとで調べたら庭園は5000坪あるそうだ。もっと早い時間から来なければいけないと反省する。本堂の前に水のはった鉢がずらりと並べられていた。時期がよければ、200鉢の蓮の花が出迎えてくれ、極楽浄土さながらの光景が広がるそうだ。(写真中央:芭蕉先生の句)

三重塔や鐘楼を楽しみ、勝運祈願の宝勝牛を冷やかす。牛の象が加えている牛玉に触れるとご利益があるらしい。あとで思いついたのだが、この後宝くじでも買いに行けばよかったのだろうか。(撮り忘れたので画像はホームページでご覧下さい^ ^;)

ここから十二重石塔のある石段の辺りまで散策した。かなり落葉しているが、紅葉が敷き詰められた道や石段を歩くのも楽しい。時期が時期なら、ここには秋明菊が顔を見せてくれたはずである。(写真下段左:一輪だけ咲いていた秋明菊をしつこく掲載、右:まだ頑張っていたブッドレア)

あっと言う間に時間が経ってしまった。山門と駐車場が4時に閉まるとのアナウンスが流れる。まだ池のある庭園には辿りついてもいないのだが、残念ながら、時間切れのようだ。春にはツツジも楽しめ、ツツジ寺としても有名だと言う事がまたあとでわかった。「ここ、ええなあ。」と相棒maruはしきりに繰り返していた。花のお守りをお土産に、ガーデナー達は軽やかな足取りで春の花寺を夢想しながら、帰途についた。


(写真左:このまま右に進めば回遊式庭園へ、右:何気にアングルに入っていたmaruさん)

(撮影:12/2)

*****参考ページ*****
・三室戸寺→http://www.mimurotoji.com/
・京滋バイパス→http://ja.wikipedia.org/wiki/京滋バイパス

*****お知らせ*****
(1)今日から東京出稼ぎ(?)の準備等々で、一週間ほどブログの更新をお休みします。皆さんの所へは遊びに行きたいと思っていますが、遅れるかもしれません。また帰って来てから再開したいと思いますのでよろしくお願いしますm(_ _)m

(2)種子プレゼント予告:吉野で採取した朝顔の種と、無農薬バジルの種があるので、少し皆様にお分けできるかと思っています。またブログでお知らせするつもりですが、もし引き取り希望の方がいらっしゃったら、コメント欄でお知らせ下さい。数には限りがありますが、できるだけご希望に沿えるように調整してみます。まずは事前アンケートって事で、よろしくお願いします^ ^(どなたもいない時は、、、周りに蒔いてみようかな^ ^;)


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花寺巡り〜コスモス寺〜 [花寺]

この間の三連休は、行けていなかったフラワーアレンジメントのレッスンに、「花園」の植え付け作業とやる事が山積していたが、この時期ガーデナーはどうしても行きたい所があった。

ここ2年ほど通っているのが、コスモス寺として有名な奈良県の般若寺(はんにゃじ)。三連休の中日は幸いに晴れとの予報だったので、いそいそと出かける。車で一時間ほど走り、寺ではなく転害門(てがいもん)近くに駐車した。般若寺と東大寺のある国立公園のはほぼ中間地点に当たる。てくてくと歩かなければならないが、この時期寺の駐車場に停められる保証はない。一度苦い経験をすると、人は学習するものである。

初めて行った時は圧倒的なコスモスの量感と人出に驚いた。学習したガーデナー達は、去年は早めに行ったが、時期が早すぎて空振りに終わった。いや、キバナコスモスとヒガンバナが綺麗だったと言うべきだろうか。今年はやっぱりコスモスを見たい。見頃はもう少し前だったかもしれないが、予定が合うのはこの日だった。そして何と言っても、今年は自前の一眼レフがあるので、また楽しみが増えた。

人出はあるが、予想ほどではなかった。皆先に東大寺で「鹿の角切り」でも見ているのだろうか。コスモス畑ならどこにでもあるが、ここは格別の風情がある。あとで分かったのだが、この寺自体が、至る所重要文化財や国宝だらけなのだ。花がなくとも、充分鑑賞価値のある寺である。そこに一面のコスモスがそよそよと風に吹かれているのだから、絵にならない訳がない。他の時期にまだ来た事はないのだが、水仙、山吹、紫陽花も見応えがあるそうだ。しかし一番有名なのは10万本の秋咲きコスモスだろう。

入口で、拝観料を払い進む。狭い通路は人とコスモスと三脚でできている。ここのコスモスは背が高く、人の頭の上にコスモス畑が広がっているようだ。中央に威風堂々そびえる石塔(重文:十三重石宝塔)がコスモスから浮き出ているように見える。ガーデナーはこの塔がお気に入りなので、ぐるぐる周りを回る。もちろん万人がよいと思うので、あちこちでカメラと人が渋滞を起こしている。つまり般若寺と言えば、おみやげ画像は皆こうなっているはずだ。

もう一つのお気に入りスポットは、ずらりと観音石像が並ぶ所。ちなみにあちらこちらに石像があるので、コスモスとの対比を楽しめる。これももちろん万人が好むので、もう一つのおみやげ画像は多分こうなっている事だろう。

maruは石像とコスモスが大好きなので、早くも行方不明だ。隠れんぼをするには最適な場所と思われる。(左上:maruさん、みっけ。右上:石塔前の渋滞)

(シャッターを押すと風が、、、)


(左:重文:笠塔婆を望む、右:県指定文化財の本堂)

コスモスを充分愛でた所で、他の植物の鑑賞。ヒガンバナは終わりかけ、ぼつりぼつりと山吹の返り咲きがある。鉢植えのシュウカイドウに、白花のヒガンバナ。ミズヒキ、イヌタデ、シオン。そしてカマキリ様も見つける。これは紳士の帽子に乗っていたのを、めざとくガーデナーが見つけ、放してもらったのだ。(上段左から、ヒガンバナ、ヒガンバナの花後、白花。下段左から、山吹、ミズヒキ、カマキリ様)

このカメラを持っているせいか、カメラマンも頼まれる。今までになかった現象だ。一眼レフと言うカメラの威力を実感する。頼まれたシャッターは押したが、よくガーデナーに想い出の一枚を託すものだ。ガーデナーの得意技「ピンボケ」の実力を皆知らないのだ。観光地に行く方は、よくよく人を見る目を養った方がいい。これは人を見かけで判断しては行けないと言う典型的な例だ。

コスモス寺を堪能したガーデナー達は、空腹を覚えた。ここから、またてくてくと国立公園の方へ歩くと、これまたお気に入りの庭園がある。そこでお昼にする事にした。ガーデナーの案内に少し不安げなmaruだったが、現地に着くと考えを改めたようだ。

到着したのは「依水園」内にある「三秀亭」。ここのご馳走は、麦とろろご飯とこの景色である。表通りは観光客でごったがえしているのに、100mほど奥まったここは異空間。ここだけ時間の流れが違う。ちょうどお昼が終わる時間帯なので、他の客もほとんど引き揚げていった。ガーデナーはmaruと縁側で、ぼぉっと流れる雲を眺めて過ごす。

この後腹ごなしに東大寺の方まで歩き、そしてまた転害門へと戻っていった。いつも庭めぐりばかりだけれど、ガーデナーもたまには観光地に出向くのも悪くないなと思った。


(上段は公園近くにいた鳥と鹿、下段左から、再び般若寺内の黄色いコスモス、国宝の楼門)

(撮影:10/8)
***参考ページ***
般若寺→http://narashikanko.jp/kan_spot/kan_spot_data/w_si54.html
依水園→http://www.isuien.or.jp/


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花寺巡り〜バラ編〜 [花寺]

ガーデナーはバラが好きだ。好きだからこそ、品種の好みが他の花よりも一段とうるさくなる。

ここの所週末は、バラ園に行っている。しかし近場のバラ園には、お馴染の品種しかないし、植栽や仕立ても同じで、どこに行ってもあまり変わりばえはしない。大概、高芯剣弁咲きのハイブリッド・ティーが、たっぷりの肥料を鋤き込まれて、赤ちゃんの頭ぐらいの大きさに膨れあがり、どぎつい赤やオレンジや黄色で辺りを埋めつくしている。

大好きな香りの高い、丸弁で優しい花色の原種やオールドローズやイングリッシュ・ローズは皆無か、あっても隅の方に申し訳程度に植栽されているのが常だ。いわゆるバラと言われて、皆が想起する形が、高芯剣弁咲きのバラ。一輪や、切り花で見ると確かに美しい。しかしあれだけ大量に同じ形で列植されていると、フォアグラにキャビアとトリフを大量に乗せて、フカヒレの姿煮と一緒に出された位の胸の悪さを覚える。(もちろん、皆一度に食べた経験はない。)

限られた自分の庭(ベランダ)に、わざわざそう言った品種を欲しいとも思わない。しかも一株だけで存在感がありすぎて、そこだけ異空間になりそうだ。食事のコースを構成する様に、メイン料理だけではない、バランスのいい植栽が庭にも欲しいなと思う。

例の宝塚のシーズンズ以外、うまくバラを使った庭は、ガーデナーの近隣ではまだ見ていない。しかしそんな中で、変わり種を見つけた。奈良県にある「おふさ観音」だ。
http://homepage3.nifty.com/ofusa/

庭として、真似したい所は正直あまりなかったのだが、寺とバラと言う微妙な関係が面白かった。合っているのかいないのか、この不思議な景色を振り返ってみよう。

入って左手すぐ、意外な所から顔を出すピエール・ドゥ・ロンサール(写真左)。少し不意をつかれた感じだ。レンガにはよくあっていると思うが、ここはどうなのだろう。その横には、イングリッシュ・ローズの多分ゴールデン・セレブレーション(写真右)。お寺の鐘の側に植えられるなんて、作出したDavid Austin氏もびっくりするだろう。

せまい境内は、鉢植えのバラで埋め尽くされている。バラの魅力に取り憑かれ、収集してしまうとこうなるという末路が見えるようだ。品種は住職の趣味だろうか。生意気な事を言わせてもらえば、仕立て方はまずまずとしても、品種の趣味は悪くないなと思う。自分でつるバラを誘引なぞした事もないくせに、好みだけは一人前なのだから、我ながら感心する。(写真上:トラディスカント、下:サンショウバラ)

イングリッシュ・ローズが多く、境内はあの香しさで一杯だ。丁寧に品種毎に札が立ててあり、詳しい説明もある。アナウンスで、今の蕾は5月下旬から6月にかけて満開になるので、またお越し下さいと流れる。ここは入園料もとらない。本当にバラ好きなのだろう。

最近よく見かけるカクテル(写真左)。この絵はやっぱり不思議だ。(写真右はウェンロック)

奥にはちゃんと日本庭園もあり、亀が甲羅干しをしていた。暑くなってきたので、奥の茶房で休憩する。せまい所に夥しい数のバラやハーブ達がいて、人も多くて、なかなか写真も撮りづらい。茶房の横では、バラのアートフラワーや服まで売っていた。本当にバラ好きなんだなと感心する。

(写真左下:エルサレム・セージ、右下:ラベンダー)

バラと言えば、レンガやヨーロッパの家並みに映えるイメージがどうしても付きまとう。ここは、和風の木造建築に、バラを植えたらどうなるかと言う大きな挑戦をしているようにも思える。果たして合っているのだろうか。うなりながら、結論の出ないまま、ガーデナーは寺を後にした。

*****おまけ*****
(左)ピンク・グルーテンドルスト(右)ダイヤモンド・グレイ


花寺巡り〜山吹・牡丹編〜 [花寺]

連休二日目は、朝から天気がいい。昨晩はよく眠れたので、気分もいい。風邪の症状も、それほどひどくないみたいだ。ガーデナーは、日頃の不摂生を深く反省した。

ベランダの子達の様子を見て、軽く花がらを摘む。今日はお出掛け日和だ。園芸店に行きたい気持ちもあったが、相棒maruと去年も行った花寺へ、見頃の花を見に行く事になった。

関西には有名な神社、仏閣が多々あるが、中でも花の名所として知られる場所が、これまた数え切れないほどある。ガーデニングに興味がわくまで、全く知らなかったのが恥ずかしいぐらいだ。庭づくりの観点からは、あまり参考にはならないかも知れないが、木造の建築美と花の美しさが相まって、なんとも言えぬ風情がある。

午前中は、まず山吹で有名な松尾大社に向かった(*厳密に言うと寺じゃないけれど)。
http://www1.neweb.ne.jp/wa/matsuo/連休中で、山吹が満開にもかかわらず、予想よりも人が少ない。入ってすぐに、駅のポスターにもなっていた橋がある。

川の両側からも、水面にも溢れんばかりの山吹が目に飛込む。この量と景観には圧倒される。自然と人はカメラを持ち、橋の上は記念撮影を待つ人の列ができてしまう。水車や橋が、山吹に包まれ情緒を誘う。

絵になる風景は、誰しもこの目にだけでなく、後で写真を見て余韻に浸りたくなる。そこを撮るのに、絶好のスポットには三脚が見事に居並ぶ。人はいないが、三脚だけ立っている所もある。昔ながらの美しい情景に、ここだけが異次元空間に見えた。今回はお昼も近かったせいか、まだそれほど混雑していなかったのが救いだ。隙間から何枚か撮ってはみたものの、実際に目で見た方がいい感じだ。

この空間からはすぐに離脱し、あちらこちらに咲き乱れる山吹を愛でる。風に吹かれ、山吹色の枝が一斉に揺れる。山に自生していると、山全体が動いているように見えた事から、この名があると説明文にある。写真には写せないが、その姿は幻想的でさえある。

虫さんとの共演も楽しんでいたが、空腹を覚えてきたので、引き上げる事にした。鳥唐揚げ定食で、栄養をつけ、夢中でシャッターを押したのはいいが、何を撮っているのか全くよくわからない画像は消去し、次の花寺を目指す。

電車に乗ると、ほどなく最寄り駅に着いた。ここからは結構歩く事になるが、道には花が咲き乱れていて退屈しない。すっかりツツジの季節だ。何が咲いているとmaruと話しているうちに、ようやく牡丹寺と呼ばれる乙訓寺(おとくにでら)に着いた。
http://www.eonet.ne.jp/~otokunidera/

ここは牡丹の季節には入場料がいる。入ってすぐ、目にした看板。

花や景観を守りたい思いがにじむ。二千株のうち、半分が見頃を迎えていた。



知らない間に、かなり歩いていたようで少し木陰で休む事にした。気温もかなり高くなっている。皆思い思いに花を愛で、感想が自然と口からこぼれる。

「いや〜、まだ桜咲いてるわ。まだ捨てたもんじゃないわ。私らも、もう一花咲かせなあかんなぁ(笑)。」「これ、あんた桜ちゃうで、ハナモモやて。ここに書いてあるわ。」と盛り上がるご婦人方の団体。

「これ、藤やがな。えらい低く腰曲がってもうて。わしとおんなじやな(笑)。」
ご夫婦で来られたご主人の感想。

花の感想なのに、知らぬ間に自虐ネタでオチをつけてしまうのは、大阪人の悲しい性だろう。

(左)ハナモモ(右)藤

まだ三時過ぎだったが、あまり広くない境内を、何周回ったかわからない。引き上げる事にした。

帰りの駅に向かう途中に、学問の神様で有名な、長岡天満宮がある。
http://www.nagaokatenmangu.or.jp/少し立ち寄る事にした。ちょうど市指定の天然記念物キリシマツツジが満開だった。去年に寄った時には時期が少しずれていたのか、全く気がつかなかった。

今日はかなりの運動量になってしまった。しかし風邪の症状が悪化するどころか、ガーデナーは、なんだか背中の辺りがすっーとして、憑き物がとれたように軽くなったのを感じた。花寺巡りは、風邪にも効果があったようだ。








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