紅枝垂れ [ガーデン]
今年は、あまり見ることは出来なかったが、京都府立植物園に近い賀茂川沿いの通称「半木(ながらぎ)の道」にある紅枝垂れも又捨てがたい。一本一本がいいと言うよりは、こちらも山を借景に、のんびりと憩いながら、見られる所がいい。地元の市民が気楽に楽しめている雰囲気も魅力である。(3年前のブログはこちら→http://hanahana-slow-life.blog.so-net.ne.jp/2006-04-16)
ゆっくり咲いて、ゆっくり散ると言われる紅枝垂れも、今年は気温のせいか見頃が短かったような気がする。ソメイヨシノが長く楽しめただけに、少し残念だ。桜の追っかけも終わり、また花壇の作業に戻る時期になる。ちゃんと桜ランキングをつけるには、まだまだあまりにも桜を見足りないなと痛感するのだった。
京の桜~二条城編~ [ガーデン]
そんな我が儘をかなえてくれる場所、それは灯台下暗し、なんと二条城である。二条城と言えば、誰もが一度は修学旅行やら、遠足で連れて行かれたであろう超メジャー級観光地。去年は時間がないと言いつつ、ライトアップだけそそくさと拝んできた。夜の紅枝垂れとヤマザクラのトンネルは幻想的で、いとをかし。水面はなくとも十分に見応えがあった。
朝8時45分に城に「出勤」したガーデナーだったが、着いて見ると、もうすでに一台の観光バスが外国籍の旅行者を吐き出していた。でもまだたかが一台である。平安神宮と違って、ここはだだっ広い。ひるまず、桜マップを片手に二の丸庭園から入る。
京の桜〜平安神宮編〜 [ガーデン]
大阪の桜が、若く、株間が狭く、直立不動で空に向かって咲いているのに対し、京の桜は地面に向いて咲いている。いや、水面に向いている。なんだったら水面に咲いていると言ってもいいぐらいだ。
(4/3の宇治川付近のソメイヨシノ)
その立ち姿は、枝下れ桜であっても、ソメイヨシノであっても変わらない。天女が衣を少し着くずし、水面に向かってしなだれかかり、小首を傾け、僅かに紅さした唇に微笑みを浮かべ、流し目で舞を舞っているのである。こんな天女の妖艶さを見たら最後、人は皆同じ魔法にかかって、放心状態になり、そこを離れようとしない。ある者は口を開けたまま、立ち尽くし、ある者は驚嘆の声をあげ、ある者は少しでも天女を側においておきたい一心で、やみくもにシャッターを押し続ける。
平安神宮の神苑に一歩入った途端、またそんな魔法にかかった人達で溢れかえっていた。前に進めないのも仕方あるまい。ここには紅枝垂れと言うとびきり美しい天女が舞い降りているのだから。空にはピンクの天蓋がかかり、皆自分がどこにいるのか分からなくなってしまう。
(中は押しくらまんじゅう状態だが、そんな事も忘れさせてくれる紅枝垂れ)
その天蓋を抜けると、目の前に池が広がり、夢見心地からようやく我にかえる。その後は暫く狭い山道のような通路がある。薄暗い木のトンネルに、急に森に入ったような錯覚に襲われる。そして再び視界が開けると、また小さな池と桜が出迎える。ただここまでは、とっておきの天女達に廻り合うまでの単なる布石に過ぎない。
(←一つ目の池、→森を抜けた所の池)
クライマックスには更に大きな水面に浮かぶ天女達が迎えてくれる。そう、京の桜は水面に咲いていないといけない。その向こうには山がないといけないし、橋もかかってないといけない。衣をかける松の木だっている。天女を迎えるには、それなりの舞台装置を用意しないと失礼なのだ。
(なかなか立ち止まれないので、撮影は困難だが、実物は素晴らしい。)
すっかり魅了されたガーデナーは、岡崎公園で花見弁当を広げる。一緒だった母親も叔母も大満足のようだ。ソメイヨシノは散り始めたが、京にはまだまだ妖艶な天女が舞っている。昨年の花見不足を取り戻すかのように、ガーデナーは目をきょろきょろさせながら、天女の姿を追い求めている。
(目に焼き付く天女の残像)
(4/9:撮影)
*****参考*****
八重咲きなので、まだ見頃は続きます。
(1)平安神宮の紅枝垂れについて→http://www.heianjingu.or.jp/09/0401.html
(2)神苑の説明はこちら→http://www.heianjingu.or.jp/09/0101.html
*****ひとこと*****
親愛なる皆様へ、
仕事や確定申告等々に忙殺され、長らく更新をさぼってしまいましたが、またぼちぼち書いていけそうです。ブログを始めて、早や2年。さぼり倒しながらも、今回でめでたく200記事までこぎ着ける事ができました。これも全て、訪問し、暖かいコメントをして下さる皆様の御陰です。本当にありがとうございます。今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m
気まぐれガーデナーより
花鳥風月 [ガーデン]
雪は降るし、朝晩はしんしんと冷え込む。お散歩に出かけても、手袋を取ってカメラのシャッターを押す気にもならない。こんな時は温室でぬくぬくするのがよろしい。
ある日軟弱者ガーデナーと相棒maruが向かったのは、神戸花鳥園。前から興味はあったのだが、一度鳥インフルエンザ騒ぎがあり、ちょっと行くのを躊躇っていた。まだまだお正月気分も抜けきらない時期で、開いてる所も少なかったので意を決して出掛けて行ったのだ。確か南国の鳥達と直接触れ合えるのが売りだったっけと、あまり期待もせず一応カメラを持参しておくと言った感じだった。
着いてみると駐車場はかなり賑わっていた。三世代揃っての家族連れがかなりの割合を占めている。眠そうなフクロウのケージを過ぎると、オシドリとペンギンが池に佇んでいる。こんな至近距離で鳥を見る事がないので、なんだか楽しくなってきた。普段はじっとポーズを取ってくれる花しか撮っていないので、鳥の動きに翻弄される。
ようやく花のあるロビーに到着。色とりどりのベゴニアのハンギングがこれでもかと言う量感でせまってくる。その下で人々が幸せそうに食事を取ったり団欒を楽しんでいる。絵に書いた様な花の楽園と言うのは、この事を言うのだろうか。
(花も人もてんこ盛り)
ガーデナー達もバイキングで食事をとる。このロビーには鳥はいないが、随分と衛生管理には気を遣うだろうなと余計な心配をしつつ、このハンギング達はどうやって管理してるのかと頭をひねる。食後に写真を撮っていると、梯子車の上の部分のような機械に乗って作業している本物のガーデナーさんを見かける。高所恐怖症だと務まらないだろうなと、またつまらぬ心配をする。
ロビーを抜けると次の間は睡蓮池だった。これもまた広い。睡蓮好きのmaruは池に落ちそうなぐらい身を乗り出して撮影に夢中だ。
(→睡蓮ではなく、ハナアロエを載せてしまう事をお許し下さい^ ^;)
次にガーデナー達を迎えたのはフクシアのハンギング。可愛らしい踊り子達があちらこちらで飛び跳ねている。圧倒的な量感に、maruが「フクシアもええなあ」と、うっとりとした目をしている。危険を察知したガーデナーは「こんな風に栽培するのは難しいねんで」と、しっかり釘を刺しておいてあげた。愛らしいフクシアの犠牲者は最小限に食い止めなくてはならないのである。
もう十分に見た満腹感があるのに、まだまだ次の間がある。
中庭の池に白鳥やら見たことのない鳥が一杯である。目の前を平然と鳥が通って行くので、子供達が喜ぶのは当たり前だが、なんだか大人の方が携帯を片手にテンションが高い。
(←足長なクロエリセイタカシギ、↑白鳥、発進!、→目の前をクジャクに横切られておののく)
異様な盛り上がりの中、次のフクロウショーの場に突入。なんか眠そうなのにフクロウもお勤めご苦労である。
(→ヒナのフクロウ。突然顔がなくなったと思ったら、後ろを見ていました;)
次の間の歓声はクライマックスを告げていた。パンフレットにもある通り、実際に熱帯の鳥を腕に乗せたりして、触れ合えるのである。手乗りインコと違って大きい鳥なので、ちと怖い気がする。
(←手乗りオオハシ、↑ふと、美川憲一を思い出す、→抹茶オーレが飲みたくなる)
ようやく全部の部屋を制覇したようだ。入場料は高めだが、それに見合うエンターテイメントは得られる。花も綺麗に手入れされているが、鳥も見ていて楽しかった。贅沢を言えば、鳥は自然に飛んでいる方がいい。いつか野生の鳥も撮ってみたいなと、ガーデナー達は意外と楽しかった花鳥園をあとにした。
(撮影:1/5)
*神戸花鳥園→http://www.kamoltd.co.jp/kobe/
蓮池で朝食を [ガーデン]
ガーデナーの週末はいつも始動が遅い。なんとか早起きを習慣にしたいと思いつつ、なかなかきっかけがつかめないでいた。そこにちょうどいい「きっかけ」が訪れた。観蓮会(かんれんえ)である。7月に入ると蓮の花を鑑賞するため、京都のあちこちの寺で早朝から観蓮会が開かれている。蓮の花を鑑賞するのは午前中がいいそうだし、開花の際に「ポン!」と言う音がするらしく、ガーデナーは以前から興味津々であった。
しかし、早朝に現地入りするとなると大変である。怠け者のガーデナーと相棒maruは一大決心をして、近場の植物園に行く事にした。
向かった先は宇治市植物公園(→http://www1.biz.biglobe.ne.jp/~ucbpark/)。住宅地が造成された丘陵地を車で登ると、その頂上付近に公園(山城総合運動公園)が広がっている。そこに隣接する同園は、季節毎に趣向をこらしたイベントを開催しているなかなか素敵な植物園である。先月は蛍鑑賞のためにナイター営業をしていたし、今月の週末は観蓮会のため早朝7時から開園している。ここなら朝6時に起きれば、余裕だ。しかし現地に着いてもガーデナーはまだ半分寝とぼけていた。
夜の間に降っていた雨は、奇跡的に上がり、雨露に濡れた植物達がゆっくりと頭をもたげている。ああ、なんだか爽やかな気分だ。頑張って蓮池を目指す事にした。
(写真左:駐車場付近のアガパンサス、右:季節毎にテーマが変わる花のタペストリー)
園内は自然な土地の勾配を活かしているので、入口から蓮の群生池までゆっくりと坂を下っていく。大きな池と、目に飛び込んで来たのは、お決まりのピンク色ではなく、白一色であった。「ここは白なんか、、、。」とmaruは落胆と驚嘆が入り交じった感想をもらした。
池の周りには鉢も並べてあり、驚くべき数の蓮の品種が鑑賞できる。こんなに蓮に品種があるなんて知らなかった。しかもその昔、地元の巨椋池(おぐらいけ)に自生していた品種が大半だと言うので、更に驚く。早朝だと言うのに、結構な人の数で、絶好の位置には三脚が並んでいる。ー 皆、早起きだなぁ、すごいなぁ。ーと寝坊助ガーデナーは妙に感心する。
池を一巡しているうちに、時間が来たのか池に浮かぶ観月台で蓮茶のサービスが始まった。早速並んで頂く。散歩と独特の風味のお茶でようやく目覚めてきた。目覚めるとすぐにお腹がすいてきた。早速朝食である。
(左:池の周りにあったラクウショウ、右:観月台の蓮茶サービス)
花蓮ガイドが始まると言うので、観月台は人で賑わってきた。そこを逃れ、池が見られる対岸側のベンチを陣取り、ささやかに観蓮朝食会を開く事にした。朝のひんやりとした空気に清々しい蓮を観ながらの朝食は、とても贅沢な気分である。早起きしてよかったと自画自賛する。
(朝食メニューは、歌笛堂のかぼちゃマフィンと有機黒ごまパンです^ ^)
エネルギーを補充した所で、もう一度池の周りを歩く事にした。拡声器から聞こえてくるガイドさんの案内によると、この白い蓮は王子蓮(おうじばす)で北アメリカ原産のものだそうだ。実は国産の蓮も一緒に池に入れていたのだが、王子蓮の方が広がってしまったと言う。蓮もやっぱり外圧には弱いらしい。
(蓮の日米対決?)
ついでなので、園内を回る事にする。ハーブ園もあるし、紫陽花の小道もあって、なかなかお散歩道としてもいい。実は年間パスを購入したので、何度となく訪れているはずなのだが、季節毎に表情を変えて行くので、来る度に新鮮だ。
入口付近の建物(緑の館)の一階は、常時何かの展示会をやっている。その奥でお茶も飲める様になっていたので、休憩する事にした。せっかくなのでテラス席に出て、花を愛でながらコーヒーを頂いた。沢山歩いたけれど、まだ朝の9時である。普通なら、今頃起きているんじゃないだろうか。
早起きすると、午前中の時間が長い。植物園を後にしたガーデナー達は、家に帰ると早速草取りをして花壇を整える事にした。肝心の蓮の「ポン!」は聞けなかったのだけれど、「早起きは三文の得」を実感した週末ガーデナーはすこぶる満足していた。
(左:ラスク付きコーヒー、右:まだまだ植栽途中の花壇)
(撮影:7/7)
お花見@植物園 [ガーデン]
久々に予定のない週末。朝の光にゆっくりと目覚めたら、どこかへ出かけたくてうずうずしてくる。ダンボールに占拠された部屋は、とっとと後にして、やっぱりお花見である。酒宴が繰り広げられている河川敷は避けるとして、さてどこへ行ったものだろうか?
と、思案の末、やって来たのは京都府立植物園。混雑はやむを得ないとしても、ここなら酒席は避けられるのだ(園内は飲酒禁止)。去年は雨であまり回れなかったし、単位時間内で見られる花の品種の豊富さはなんと言っても魅力である。(去年の様子はこちらで→http://blog.so-net.ne.jp/hanahana-slow-life/2006-04-16)
(写真左:正門から温室を見る、右:ヤマザクラ)
昼時の園内は桜も人もカメラも満開であった。しかしこの広大さ故、桜の下はともかく、宿根草園に行けば座る場所はほどなく確保できた。おにぎりをほおばりながら、今日の見所を「きまぐれ園だより」(入口で入手すべし手書きの紙の事)で確認する。今回は桜林で各種桜を見たのち、山野草の待つ植物生態園へ行く事にした。
(宿根草園より、写真左:ベンチから見た桜、中央:ヘレボルス・リビドゥス、右:早咲き品種で芳香のあるクレマチス、アーマンディー)
桜と言えばソメイヨシノが真っ先に思い浮かぶ。しかしそれは数ある品種の中の一つで、花つきがよく成長が早いので大量に植樹されてよく目につくからに過ぎない。ソメイほどの華やかさがなくても、カンヒザクラ、シダレザクラの早咲きや八重の遅咲きまで見ていくと、一ヶ月は桜が楽しめる。秋咲き品種もあるから、巧く植栽すれば秋からずっと花見三昧になるはずである。
(桜門にある花々、写真左:カンヒザクラ、中央:ヤナギザクラ、右:ニワウメ)
ソメイのルーツを探って園内を歩くと、まず花が大きく少し芳香のある大島桜(写真左)に出くわした。その後に花は小さいが、枝びっしりに開花したエドヒガン(写真右)に出会う。なるほどこの二種を掛け合わせると、豪華で艶やかなソメイができるのは納得である。
現在のソメイヨシノは、江戸時代に交配された一本のクローンであると前に読んだ事がある。種子が出来ない事を考える(正確に言うと出来ても育たないらしい)と、さもありなんである。そうだとすると、全国に同じ木の分身が何万本とある事になる。なんだかとても不思議な気がした。
桜林を抜け、ここの名物、大枝垂れ桜を愛でる。この桜は、有名な円山公園の枝垂れ桜の姪っ子だそうだ。見頃は少し過ぎていたが、見事な枝ぶりはやはり血筋だろうか。桜の姻籍関係も興味深いものだ。
(写真右は他の枝垂れ桜)
この後、ガーデナーと相棒maruは植物生態園へと迷い込んでしまう。そこの山野草達のあまりの素晴らしさのために、桜の事など、すっかり忘れてしまうのだが、ここの花見の話はまた後日にご紹介する事する事にしよう。
やっと元の道に戻り、北山門近くの桜品種見本園に辿り着く。ここは桜を間近に鑑賞できるので有り難い。遅咲きの品種はまだ固い蕾のままだった。御衣黄(ギョイコウ)は是非一度見たいと思っている品種だが、これも生憎まだ蕾だった。まあ、また来る事にしよう。
(見本園より、写真左:兼六園熊谷、中央:御衣黄の蕾、右:天城吉野)
気がつけばすっかり日も陰ってきた。今までガーデン巡りをできなかった鬱憤を一気にはらしたガーデナーには、ライトアップの時間までいる余力が残っていなかった。夜桜見物はまたの機会にする事にして、ガーデナーは大満足で帰途についた。
(写真左:鴨川沿いの桜、右:花よりみたらし団子)
春の温室 [ガーデン]
こんな事している場合ではないのだ。引っ越しまであと一ヶ月。本も服も、持ち物を全て処分したり整理したり荷造りして、各種サービスの停止・変更、、、などなど。やる事は山ほどあるのだ。んな事は充分わかっている。けど、、、たまには息抜きもいいではないか。
ここの所ガーデン巡りなんてできない状態だったし、週末は打ち合わせか仕事でつぶれていった。ちょっとぐらいお花を愛でてもいいじゃないか。とやって来たのは、鶴見緑地公園内にある「咲くやこの花館」。熱帯植物が嫌いとか温室は苦手なんて言ってたくせに(→証拠ブログはこちら:http://blog.so-net.ne.jp/hanahana-slow-life/archive/200609)、もうそんな事は言ってられない。単位面積、単位時間内に見られるお花の数は、断然ここが群を抜いているのだ。しかも中はとってもぬくい。温室前の菜の花畑に心も弾む。
(お約束の感じで撮ってみました^^;)
蘭も苦手な花の部類に入っていたと思うけど、今年に入ってからとても可愛く思えるから不思議だ。うちの蘭達は虐待されているせいか、花付きが全然よくないが、ここはさすがに見事だ。ああ、なんだか心癒される。
(左上:品種は不明、黄色はオンシジウム、右上:タニワタリ、よくアレンジで使うがこんな風に生えているとは驚き。左下:とても綺麗な緑だったので、なんとなく。右下:心を奪われたグランマトフィルム・スペキオスム。ああ、可愛い。)
最近生花のアレンジで熱帯植物の葉や花を使うせいか、以前と比べると全く抵抗感がない。むしろデザインの面白さに、目から鱗である。育てるのは大変と言う固定観念で見ていたのがいけなかったのだろう。素直な心で見ると、自然の造形美に驚嘆する。
(上:元気なハイビー、ハイビスカス・アラモアナ、左:ブーゲンビリア、中央:ミニパイナップルの群落。こんな風に実がなるのもまた驚き。右:品種は不明だが配色が綺麗だったので)
中でも、ガーデナーが優秀デザイン賞を贈ったのは、この時期だけに咲くというヒスイカズラだった。陽が当たると文字通り翡翠でできたシャンデリアの様だ。
上部から順番に咲いて行くので、来月の中旬ぐらいまでは楽しめるそうだ。(さらに美しいヒスイカズラは是非こうちゃんさんのブログでどうぞ!^ ^→http://blog.so-net.ne.jp/430scv/2007-03-25)
ヒスイカズラにガーデナーのテンションも最高潮に達し、いよいよ高山植物のある部屋に突入する。この時期、原種チューリップが咲いているのだ。ああ、早く会いたい!はやる気持ちを押さえつつ、シャッターを切っていたら不吉な響きがカメラから聞こえてきた。
ギィィー(え?何の音??)「Err***」点滅(え?メモリーは??)
とっさにスイッチを切っていれ直してみると(こんな時はとにかく再起動!)、無事復活した。しかし、シャッターを押すと、またギィイーとErr***の繰り返しだ。メモリーカードが、例のErr***(エラー)メッセージと共に記憶喪失になってしまった経験が蘇る。ガーデナーの頭も真っ白になりそうだ。とりあえずかろうじて記憶のあるうちにカメラは休ませておく事にした。(冷静に考えると、充分にバッテリーを充電しなかったのが主な原因らしい。)←追記*
横では嬉々としてシャッターを切る相棒maru。目の前には可愛いく微笑む原種チューリップ達。人は追いつめられた時にその本性を表すのだ。
ガーデナーは背後からmaruに忍びより、「チューリップ撮るから貸して!」と言うが早いか、maruからカメラを奪い去り、一瞬何が起きたのかと呆然とするmaruを残し、チューリップの前で小躍りする。
(原種チューリップ達:左上:ツベルゲニア・バラエティ、右上:ツルケスタニカ、チゴユリにも似た姿が愛らしい。左下:ライラック・ワンダー、右下:クルシアナ・レディージェーン)
「ありがとう!」と、心のつかえがとれたガーデナーは何事もなかったかのようにカメラをmaruに返す。ああ、早くうちの子達もこんな風に咲かないかなと、ガーデナーはずっと愛らしいチューリップを眺めていた。
(撮影:3/25)
*追記:あれ以来まだ同じ様なエラーが出ています。どうもバッテリー部分の接点が悪いような、、、。バッテリーを抜き差ししてしのいでいます。大丈夫なんでしょうか?!; ;
ぶらり散歩〜京都東山界隈〜 [ガーデン]
しばらくお出掛けも控えていたガーデナーだが、先週の飛び石連休の初日、所要で京都に出かけた。出来ればこの時期に市内に行く事は避けたかったのだが、相棒maruに頼まれ、カメラを届ける事になってしまった。maruは八坂神社方面で披露宴に出席する予定なので、帰りに界隈の紅葉を写したいと言う事らしい。
午後三時前の四条通はびっしり人で埋まっていた。こう言う時は、人を押し退けて先に進むなどの愚行は禁物である。流れに身を任せ、ぼぉっーと無心で足を動かすのがよろしい。「何でこんなに人が多いのか」と思うのも愚問である。その問いの答えは「ここが京都だから」に決まっているからである。
八坂神社に着き、maruと合流する。思いの外、紅葉も進んでいて、久々に写真を撮るのは楽しかった。混雑した円山公園を抜け、人とタクシーと人力車が交錯する小路をぶらぶらと散歩する。人間の身長が2m以下で本当に良かった。紅葉はどれだけ人がいようが、邪魔できない位置から顔を覗かせ、目を楽しませてくれた。
高台寺付近に差し掛かり、maruが中に入ろうと言う。そう言えば、この時期に庭を見た事がなかった。台風の目に飛び込むようなものだが、ここまで来れば、もうどうでもよい。拝観料を払い、中に入る事にした。
園内では人も賑わっているが、紅葉もなかなかの賑わいだった。庭をゆっくり堪能したい所だが、交通整理されているので、定められた順路を逆らわず、前の人について進むだけである。それでも多少の写真は撮ってみた。観月台や臥龍池(がりょうち)の眺めがやはり美しく、付近は大渋滞である。(写真一段目左:観月台、右:方丈から望む開山堂と霊屋(おたまや)、二段目左:方丈前庭)
(写真三段目左:臥龍池、右:奥の時雨亭へ向かう階段)
その後傘亭、時雨亭まで上がったが、もう光がなく画像はブレてしまい何もお見せできるものがない。まあ、実際にめでる事はできたのでよしとしよう。帰り道にぜんざいを頂き、八坂まで帰って来るともう提灯に灯りがともっていた。まだ五時だと言うのに、もうすっかり日暮れである。ほんの束の間の散歩だったが、ガーデナーは久々に出かけられる喜びをほんのり噛み締めていた。
(写真左:八坂神社の提灯、右:高台寺の開山堂)
(撮影:11/23)
*****参考ページ*****
・高台寺→http://www.kodaiji.com/
・八坂神社→http://web.kyoto-inet.or.jp/org/yasaka/
・京都の紅葉情報→http://kyoto.jr-central.co.jp/kyoto.nsf/doc/momiji
京の紅葉 [ガーデン]
秋になると、むやみやたらと京都に行きたくなってくる。元々日本人のDNAに組み込まれているのか、テレビや旅行会社の陰謀なのかはわからないが、とにかく京都に行かないと気が済まない。そんな風に思うのはもちろんガーデナーだけではないらしい。日本国中から、いや世界各国から、猫も杓子も皆が京都に押し寄せている。しかもまだ紅葉の見頃でもないのにだ。そう、紅葉の見頃はまだなんですよと言うのが今日の話。
三連休のうち、うっかり油断していたら二日も京都に足を踏み入れていた。午前中に仕事で京都に出ていた相棒maruと待ち合わせて、お昼を済ませた後、向かったのは紅葉で有名な永観堂。実は、ぶらぶらと蹴上から哲学の道まで散歩するはずだったのだが、力尽き、そこまでで戻ってきたのが真相だ。
途中の南禅寺界隈もぶらり歩きにはちょうどいい。紅葉しているのは、ほんの一部の葉だけなのだが、辺り一帯の木々から出る例の癒し物質のせいか、歩いているとすこぶる気持ちがいいのだ。今まで花を接写する事しか興味のなかったmaruでさえ、建造物や景色を撮るのに夢中だ。(写真左:何て事ない小道、右:南禅寺三門)
琵琶湖から水を運ぶ水路橋もあった(琵琶湖疎水の史跡、水路閣)。古びた煉瓦造りに植物が繁茂していて、すっかり周りに溶け込んでいた。どうも火曜サスペンス系のロケ地らしく、裏寂しい景観とは裏腹にびっくりするぐらいの賑わいを見せていた。(写真上段:水路閣、人が入ってこなかった奇跡の一枚。下段:散歩道で見た木々)
ようやく永観堂にたどり着く。勿論紅葉はほとんどないのだが、ごく一部の葉が染まり、緑の中から浮き出ていた。先に池の回りの庭園を見てから、多宝塔を目指す事にした。(写真上段:放生池、左下:多宝塔、右下:数少ない紅葉)
階段を登るだけでもかなりの運動量だ。多分歩くだけなら、大した事はないのだろうが、写真を撮りながらだと必要以上に距離を歩くし、時間もかかる。頂上の景観を少し楽しんだら、即休憩である。それにしてもmaruは元気だ。きっと数少ない赤い葉にへばりつき、世間様の誤解を招く写真を撮っているに違いない。(写真:多宝塔から望む理想と現実)
気が済んだので、元来た道をゆるゆると下り、再び池の周りに出てきた。ガーデナーが強くティータイムを要求したので、めでたくみたらし団子にありつく事ができた。団子をほおばりながら、鴨をぼぉっと見る束の間の幸せを得る。
入口付近に戻って来たが、ふと堂内に入っていない事に気付く。結構な拝観料を取るなと思っていたら、まだ外だけで建物の中は何も見ていなかったのだ。広い堂内に入ると貴重な仏像や襖絵が、これまたおびただしい数展示してあった。すでに集中力が切れかかっていた所に、これだけ見せられても圧倒されるだけである。順路の矢印に命じられるまま、流れ作業の様に庭と襖を交互に見ているだけで終わってしまった。ガーデナーにはこの半分の展示量と、半額の拝観料で充分満足だったかも知れない。(写真左上:唐門前の盛り砂、右上:堂内の庭園、左下:サザンカ、中央:工事中で登れなかった臥龍廊、右下:葉先が3つに分かれる珍しい松、三鈷(さんこ)の松)
帰りに三鈷(さんこ)の松の葉を貰って来た。持っていると、「智恵」「慈悲」「まごころ」の三福が授かるらしい。今の所まだガーデナーに効果が現れた兆しはなさそうだ。四葉のクローバーといい、こうして植物の変異に気付き、福だなんだと尊ぶ事自体に意義があるのかも知れない。哲学の道まではたどり着けなかったが、日が傾いて来た帰り道で思索に耽るガーデナー。紅葉の見頃はこれからだが、京の秋はやっぱりいいものである。
(写真左:永観堂内、右:インクライン)
(撮影:11/5)
*****参考ページ*****
・永観堂(最新の紅葉状況はこちらで)→http://www.eikando.or.jp/
・琵琶湖疎水について(水路閣、インクライン)→http://agua.jpn.org/biwacanal/top.html
・南禅寺→http://nanzenji.com/index.html
・予定だった散歩道コース(蹴上〜哲学の道〜銀閣寺)→http://www.eonet.ne.jp/~yowara/ginkaku.html
秋の京都へ〜秋明菊編〜 [ガーデン]
睡魔に負けて、ブログも三連休を取ってしまいました。今週は真面目に更新して行きますので、よろしくお願いします。まずは遅くなりましたが、前回の京都府立植物園の続きをどうぞ^ ^
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宿根草園でかなり満足し、歩き疲れたので、北山門へそろそろ戻ろうと言う事になった。途中のノアサガオやもう咲いているサザンカを愛で、紅葉の頃は見事であろう「なからぎの森」のカエデ達を横目に歩いて行く。
(園内マップはこちら→http://www.pref.kyoto.jp/plant/11900007.html)
(写真左:ノアサガオ、右:サザンカ)
しかし、ガーデナーには心残りがあった。今見頃であるはずのシュウメイギクの事である。見たと言えば見たのだが、宿根草園には紅白一株ずつあっただけで、しかも盛りが過ぎていた。諦めきれず、手書きの「きまぐれ園だより」を見る。(ちなみにこれにはタイムリーな見頃情報が全て網羅されているので、是非受付で入手したいガーデナー必須アイテムである。)「植物生態園」付近に差し掛かり、その花便りを見るとシュウメイギクの文字。こっちにもあったのだ!相棒maruを呼び戻し、門には向かわず南下することにした。
道を右に折れると、急に鬱蒼とした森林に迷い込んだ錯覚に襲われる。熊が出没しないとわかっているだけ安心だ。小高い丘に、レンゲショウマ様、サラシナショウマの札を見つける。こんな至近距離で会えるなんて知らなかった。まずは名札だけで興奮する。そう、ここはガーデナーが大好きな山野草の宝庫だったのだ!(写真左から:ヤマラッキョウ、センブリ、エゾノコンギク)
あとで知ったのだが、生態園の名の通り、自生地に忠実な植栽がなされている所であった。忠実すぎて、せっかく可愛い花が顔を出しているのに、光が足りないぐらいだった。頑張って数うちゃ当たる方式で写真を撮るが、大半がブレブレである。しかしシュウメイギクはあちらこちらから顔を出し、ガーデナーは小踊り状態。所構わずシャッターを切る事にした。何故最初にここに来なかったのかと後悔する。(写真左から、ワレモコウ、水辺にいた水鳥、マツムシソウ)
以前、絵瑠さんのブログで知った事なのだが、いわゆる秋明菊の別名とされる貴船菊(キブネギク)は その昔紫の八重咲きのみで、菊に似た花だったのだそうだ。原種好きのガーデナーは一重がシュウメイギクの基本形かと思っていたのだが、それを聞くと是非見たいと思うようになった。京都府立植物園はやはり貴船菊の地元と言うこだわりなのか、八重咲きが満開である。ああ、やっぱり秋明菊はいいなあ。
そこを抜けると中央の芝生広場に出た。思い思いに芝生で憩う老若男女を取り囲むように、見事に仕立てた菊達が展示してあった。ガーデナー達も疲れをそこで癒す事にする。(写真左から、菊の盆栽、今回のおやつはみたらし団子、サザンカ)
その後ようやく北山門まで出て来た。門近くには、季節の花々が所狭しと植栽されている。今度はmaruが狂喜乱舞している。すでに集中力をなくしたガーデナーは、写真撮影よりも品種をチェックし始めた。ふと色鮮やかで大振りの花が目についたので、ダリアかと思って近づいてみると、百日草であった。ヘルマン・ヘッセが本の中で、百日草をベタ褒めしている一節を思い出す。いくら好きだからってそこまで褒めるかねと内心思っていたのだが、これほど見応えのある花だとは予想外だった。知らない花は本当にいくらでもあるものだ。(写真左から、百日草、トウガラシ・ブラックパール)
やはりこの植物園を回るには、気力も体力も不足していたガーデナー。でも今度はもっと「生態園」を集中的に回りたいなと思いながら、心は軽やかに、足は重たく、帰途についた。
(撮影:10/29)
****参考****
・絵瑠さんの秋明菊の記事はこちらです
→http://blog.so-net.ne.jp/hananeko/2006-10-16
・ヘルマン・ヘッセの本はこちら↓
あんまりお薦めでもないんですが、読むとなかなか文章が頭に入らず、すぐに眠れます^ ^;「百日草」の一節はp94から始まります。
「花の世界でも、切り取ったばかりの一ダースもの多種多様な色彩な百日草ほど晴れやかで、はつらつとしたものはありません。この花の色彩はもう強烈に内部から輝きを発し、色彩そのものが歓声をあげているのです。」(p97抜粋)
***追記***
宝塚”Seasons"の秋明菊の様子はみーさんの記事をどうぞ^ ^
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