バラの季節 [花壇]
GW後半に雨で寒い日が続いていたので、花壇のバラ達の開花は少し足踏みをしていた。だが、週末に一転して夏日と晴天に恵まれると、一気に開花し始めたので、ガーデナーは小躍りしながら、ハチやアブと一緒になって、バラの周りをぶんぶんと飛び回っている。
香りにうっとりし、花がらを摘み、写真を撮り、食事中のケムケムやコガネムシ、産卵中のチュウレンジバチを追い払ったり、嫌がらせしたりしながら、猫なで声で「綺麗だね」とバラ達に話しかけている。こんな光景が朝から夕方まで繰り広げられているのだけど、ご近所さんの反応は「いっぱい咲きましたね」と概ね温かい。「毎日見るのが楽しみでね」と言うありがたい励ましのお言葉まである。植え替え大作戦がまだまだ進行中の未熟な花壇ではあるけれど、御陰様でガーデナーはめげる事なく、毎日バラや花壇の子達と戯れている。
バラの中で、咲き出しが一番早かったサーヤ。それでも開花ラッシュを迎えたのは先週の半ば頃だった。雨で写真が撮れずにいたが、まだ咲き続けてくれている。日差しがきつい南側で、少し色褪せているが、これほどの房咲きは見た事がなかった。サーヤの元気に脱帽である。
(つるバラですか?と勘違いされるぐらい満開のサーヤ。←この角度から撮るとダージリンティーの香りがする。→南の三角地帯)
続いて咲き始めたのが、東側の壁面を覆っているコンスタンス・スプライ。今年はよくつるも伸びて、花つきもいい。ちょうどいい高さに咲いてくれているので、毎朝の香りチェックが至福の時である。シュートもかなり上がってきているので、来年はもう少し高い所に誘引できそうだ。
(一季咲きだけど、長く楽しめるコンスタンス・スプライ。強い香りはミルラ香と言われる。)
今日咲いていたのが、シャポー・ドゥ・ナポレオンとノエル君。ナポレオンはお気に入りの蕾があったので、ずっと見張っていたのだが、咲いたのは違う蕾だった。陽当たりが少し悪くなる位置に植栽したので、葉の展開も遅かったのだが、根元からシュートは上がっていたので、一応やる気はあるらしい。足元がミント畑になっていたのが悪かったのか、花付きはそんなに良くはない。GW中にミントは仕切り板で勢いを制御したので、来年はオベリスクを覆ってくれるのじゃないかと、期待をしている。
ノエル君は遅咲きなので、油断をしていたら、今日一輪開花していた。もう少ししたら見応えのある花束を見せてくれるだろう。枝も徐々に伸びて来ているのが楽しみだ。
(←蕾マニアにたまらない「ナポレオンの帽子」:↑開花した時のナポレオン:→開花したばかりのノエル君、房咲きなのでこれからが見所)
引っ越してから、調子を落としていたシャウシャウ。南のデッキが暑すぎるのか、以前より花色と香りが薄れてしまう。今年は一回り大きな鉢に植え替え、土も元の京阪園芸のブレンド土に変え、ふんわり花がつくように枝数を残しながら剪定した。すると今までにないぐらい元気に蕾やシュートも上がり、ガーデナーの期待感は日増しに高まっていた。
ところが、もうすぐ開花と言う所で、長雨が続いた。水分が多すぎると開かなくなる性質があるので、慌てて軒下に移動。今年は寒暖の差も激しく、長雨になる前は乾燥もしていたので、久々にウドンコにも見舞われた。
ここが正念場と、ウドンコはクエン酸水を歯ブラシにつけて、丁寧にこそぎ落とし、ひどい所は切り落とした。その甲斐あってか、無事開花。爽やかな柑橘系が入ったような独特の甘い香りを久々に嗅げて一安心である。花色はもう少し中心が濃くなって欲しいので、もうしばらく軒下で涼ませて、様子を見る事にした。
(今年はなんとか白バラにならずに済んだシャウシャウ。蕾も無数にあって、葉も立派♪)
いよいよバラの季節の到来。この景色を見たくて、引っ越ししたようなものなので、しばらく堪能する事にしよう。植え替えて「進化」させる所もまだまだあるのだけれど、この季節は香りを味わいながら、作業ができる心躍る季節である。
(5/11の東側の花壇。来年はもう少しうまく誘引して、窓周りにも這わせたい♪)
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おまけ:資材で散らかり放題だったデッキ下スペースをただ今改造中(↓)。腐葉土や道具をおけるストッカーが欲しいな。
(←5/9枕木風の石を仮置きしてみる。→5/10雑草を抜いて小石を敷き詰めた所)
(撮影:5/9〜11)
植え替え大作戦 [花壇]
先日、久々に宝塚のSeasonsを訪ねた時、ガーデナーが気づいた事である。完璧だと思っていた庭なのに、新しく植栽がされていたり、行く度に新しい驚きがある。これだ!と刺激を受け、意気揚々と園芸店に行き、苗を買い、家の花壇をあちらこちらから眺め回した。どこか「進化」させる所はないのか。先週ぐらいから試行錯誤を重ねていた。
「進化」と言うと、かっこよく聞こえるが、実は「もりもり」と育った花壇が、どんどん「ぎゅうぎゅう」になって来て、後は、切るか、抜くか、植え替えるかしなければいけなくなって来たのである。
東の花壇は幅50cm、西は40cmと、どう考えても狭小花壇なのに、宿根草ボーダーの真似事をしているので、当然の成り行きではある。RHS(英国王立園芸協会)の本を読んでいると、こうしたボーダーに必要な幅は最低1.5m。「秘密の花園」より少し広いぐらいである。それ以下だと「大変な事になる」と脅し文句が書いてあるけど、全くその通りである。
手始めに西の花壇の気に入らない所から作業をする。「もりもり」で「ぎゅうぎゅう」な箇所を分析すると、当初の予定になかったヒメフウロやグレコマがはびこっていた。またホトトギスも周りの植物を圧迫していた。一部を切り、抜き取り、北側のコンテナーに植え替えた。花壇の外にはみ出した植物達も選択しながら、抜いていった。
(4/23と4/27の比較。この写真だと雑草を抜いた事しかわからないな^ ^;)
東の花壇では北端にあたるノエル君の前を整理する。ガウラがノエル君の方に倒れこんで来たので、相棒maruの力を借りて抜いてもらい、代わりに、高さ30cmで横に伸び、半日陰でも対応できると言うフロックス・ディバリカタを植栽した。またモミジ下でチェリーセージに踏まれていたラベンダーを救済して、フロックスの隣に移植した(写真左)。
もう一株フロックスを買ったので、シャポー・ドゥ・ナポレオンがあるオベリスクの近くに植栽した。そこはミント畑になっているので、なんとかやり変えたい箇所でもある(写真右)。
(東側花壇の北半分。球根が咲いてから、バラが咲くまでちょっと寂しい。)
外ばかりやっていると、ついつい忘れがちになるデッキにある植えます。まず、冬咲きクレマチスのカリシナ姫の剪定。「4月頃に伸びたつるの長さ半分の所で剪定」と本にあるが、つるに印がある訳でもなく、いつから伸びているのかわからない。ちゃんと誘引もせず放置していたので、ぼうぼうと絡みついていた。とりあえず、絡まっているつるを半分ぐらい切って、誘引してみた。
あとは、はびこるヒメフウロを引っこ抜き、その後買ってきた紅花トキワイカリソウと、モミジ下で瀕死だったトキワイカリソウを救済して植栽した。また地植えして瀕死になったクリスマスローズの苗も緊急鉢上げをした。
植え替え適期でない植物を植え替える時は、ガーデナーは「マッハの速度」を心がけて植え替える。恩師ポールさんに言わせると、「植物が植え替えられたと気づかないぐらい早く」植え替えるのだそうだ。クリスマスローズに気づかれていないといいのだが、さてどうだろうか。
(←4/23カリシナ姫を剪定し、ヒメフウロを抜いた所。→4/27手前のクリスマスローズを抜いて、イカリソウを植栽し、腐葉土を撒いた所)
この一週間の植え替え大作戦はひとまずここまで。もっとやり変えなければならない所はあちこちあるのだが、それはまたGW休暇中のお楽しみである。本当にこれで「進化」してるんだろうか。疑問を残しつつも、植え替え大作戦はとりあえず、続く。
(作業後に眺めてホッとする花達。←寒波で色鮮やかになったサーヤ、→珍しく上を見上げるミヤマオダマキ)
どんどん、もりもり [花壇]
陽当たりの一番いい南の三角地帯では、気の早いサーヤが開花を始めた。去年のブログを見ると、やはり夏日だったらしく咲き出しもこれぐらい早かった。ちょっとした手違いで、サーヤのいたずらで、この三角地帯に地植えする事になったが、ここが気に入ったらしい。周りとも馴染んでいるので、まあよかったかなと思う。
そろそろ、どんどん [花壇]
この所最高気温が25℃を超え、晴天がほぼ一週間続いた。花壇の様子が加速度的に移り変わっていく。週替わりではなく、日替わりで、いやもう、朝と夕方で花壇の子達がぐんぐん成長しているのがわかるほどだ。
一週間前に、バラの開花のめやすになる第一蕾を発見して喜んでいたら、あれよあれよと言う間に蕾が膨らんでいく。しかも鈴なりに蕾をつけていく。陽当たりのいい三角地帯にいるサーヤは、4月中にも咲き出しそうな勢いだ。
(4/12時点の蕾:←サーヤ、→シャウシャウ)
チューリップは早くもレディージェーンが散ってしまい、無事ライラックワンダー、リトルビューティー(写真左)、クルシアナ・シンシアナ(写真右)が後を引き継いだ。しかし、暑さのせいで一部色褪せて散りかけている。
(←真ん中の青い所がお気に入り♡、→開くと黄色で、閉じると赤くなるのがいいんです♪)
少し停滞気味だったスイセン群からは、待望のジョンキルが開花を始めた。芳香が楽しみで植えたのだが、まだ数が少ないのと、花粉症で鼻がつまっているので、その香りを味わうのはお預け状態だ。
チューリップとの共演を楽しみにしていたムスカリが、ようやく顔を出す。青紫のラティフォリウムがちらほら出てきた。昨年は確かもっと出ていたはずなのに、やはり今年は不調なのかもしれない。今秋増量しなければ、花壇の色合いがとても寂しい。
(←早く香りを嗅ぎたいジョンキル、→何故か目立たない花壇奥で発見されたムスカリ・ラティフォリウム)
一部ここから球根が出てくればなと思う場所もあるが、秋にはいつも「記憶喪失」になっているので、記録用写真を撮っておく。あとは札でも立てておこうか。球根が出始めた時はまだまだ植栽できるスペースがあるかと思ったのに、気温と共に、初夏に開花する宿根草が見る見る伸びて来て、幅の狭い花壇は早くもぎゅうぎゅうと混み合ってきた。宿根草が、当たり前だけど、去年より大株になっている事に今更のように気づく。
(南の三角地帯の比較:←4/7、→4/9時点、チューリップの主役が移り変わる)
(西の山野草花壇の比較:←3/21、→4/9時点、宿根草が育って花壇が埋まって行く。)
西の花壇では、待望の山野草達が開花し始め、ガーデナーの顔をほころばせる。去年は不調だったイカリソウ。純白の、壊れそうなくらい繊細な碇を見ていると、心が洗われる思いがする。純白と言えば、もう一つ忘れてはいけないミヤマオダマキ。第一蕾がどんどん膨らんで来たので、蕾のうちに撮ろうと思いつつ、朝出かけたら、夕方には咲いていて、帰宅したガーデナーを驚かせた。
(←今年は花をつけてくれたイカリソウT T、→白花の品種が先に咲いたミヤマオダマキ)
これからどんどん、待望の子達が顔を見せてくれそうなので、毎朝ガーデナーの顔はゆるみっぱなしである。
(←一輪だけ開花し始めたクレマチス’白万重’、→相棒maruのコレクションから、ケマンソウ)
週末花壇だより(3/29-4/5) [花壇]
この間、京都の有名な桜守の方が「花は去年の結果やからね」とおっしゃっていたのを番組で見て、なるほどその通りだなと思った。今見ている花達は、去年一年間の手入れや植栽の結果であって、ガーデナーにとっては通信簿のようなものだ。予想以上に咲き誇る子達を見ては喜び、芽が出て来ない所を見ては、悩む。そんな悲喜こもごもの一週間を振り返る事にしよう。
一番目立っていたのはチューリップ達。前よりも球根を増量し、ばらばらにではなく、塊になるように植栽した。これが今回とても印象的に見えるようだ。後は色合いも考えようかな。
スイセンはバルボコデュームの出足が遅い。もう少し増量しよう。ムスカリが出始めた。これも色と量を考え直そう。スノーフレークがようやくランプを製造し始めた。陽当たりの悪い所で頑張ってもらっているが、株も増えているようで順調。
西側ではシラーシベリカ(写真←)が不調。小さいので、やはり増量して、塊で植える事にしよう。唯一地植えで花をつけてくれたクリスマスローズはステルニー(写真→)。背も高くなって、花も沢山つけてくれた。エゴノキの下が気に入ってくれたようだ。
問題のモミジ下。南東にあり、軒下でもあるので、乾燥して気温も上がる日陰の場所だ。クリスマスローズは結局夏越しできず、雑草さえも生えないので、野良猫の公衆トイレになっていた。最後の望みを託したのはユーフォルビア・ロッビアエ。これが駄目なら、造作物も視野に、根本的にここの植栽をやり直しだ。
種まきするまでの間、作業はクレマチスの誘引ぐらい。花壇の子達が織りなす開花ショーを、もう暫くは楽しませてもらう事にしよう。
今週の見どころ(3/21-28) [花壇]
誤算 [花壇]
一体全体何故植えた覚えのないムスカリがあるのか。
春の交響曲 [花壇]
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今日は又一段と高く指揮棒が振られたに違いない。昨日まであんなに固そうだった芽が次々と吹き出している。まるで噴水が湧き上がってくるかのように、その勢いはもう止まらない。
どこで誰が、この春の交響曲を指揮しているのだろうか。何か号令や合図があるに違いないといつも耳を澄ませているのだが、ガーデナーの耳には残念ながら届いては来ない。ふと気が付けば、もう曲が流れている。植物達が、指揮に合わせて演奏している姿を見つけて、ただ呆然とするばかりだ。
パーンと弾けたのは、ジューンベリーの白銀の葉。オレンジに萌えるシモツケ・ゴールドフレームの目覚め。徐々にクレシェンドへと、調べは高鳴り、軽快な第三楽章へと引き継がれる。
高くファンファーレを響かせたのは、チューリップ隊を先導するシルベストリス。それを合図にトルケスタニカのバイオリンが一斉に旋律を奏でる。スイセンのバルボコデュームのトランペットが、高らかに春を宣言する。ムスカリのティンパニーがあちこちで響き渡る。オーニソガラムやプシキニアのパーカッション隊が賑やかにリズムを彩る。
そして天を差し、お日様に手を広げるレディー・ジェーン。ライラック・ワンダーの愛らしいピンクとお日様を映し出したかのような黄色のドレスが、第三楽章を最高潮に盛り上げる。
(4/9時点モミジ下にて←レディージェーン→三角花壇のライラックワンダー)
第三楽章はまだまだ続く。この後クリサンタが道化師の衣装で登場し、スノーフレークのランプが日陰の暗い舞台をも煌々と照らし出す。目覚めよ、宿根草達!再会の喜びをその芽で祝おう!
こうして春の交響曲は、バラの目覚めまで続いていく。皆様の元にも、もう交響曲は聞こえ始めただろうか。