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春の手入れ [秘密の花園]

ブログ上ではさぼっていたガーデナーだったが、現実世界では、結構頑張って花壇の手入れをしていた。昨年暮れのつるバラの誘引、剪定に始まって、冬から春先にかけては、落葉樹や宿根草を切って切って切り倒していたのである。ようやく作業が一段落した時、ふとまだ切り戻していない子達の事を思い出した。あの「秘密の花園」の事である。(→詳細はカテゴリー「秘密の花園」をご覧下さい。)

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1年ぶりの庭に対面するには、少しばかりの勇気がいる。先に花園を覗いた相棒maruが声をあげた。

「わぁ、すっごい咲いてる。」

高鳴る胸を抑えつつ、ガーデナーも続いて、門から覗く。すると何とも不思議なお花畑が広がっていた。


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アナベル見参 [秘密の花園]

西洋紫陽花アナベルが、満を持して「秘密の花園」に現れた。主役の登場はいつも最後と、何故だか昔から決まっている。同じ時期に招集した最終選考メンバーの中で、先週の土曜日、つまり一番最後に到着した。

ガーデナーの大いなる期待と華やかな舞台を用意して待ち望んでいたアナベルは、落葉直前の枯葉がかろうじてついているような全くみすぼらしい姿でやって来た。落葉低木と知らなければ、即刻苦情の電話を入れそうな苗である。

昨日ようやく時間がとれたガーデナーは、電車で苗を運び、植え込みに向かった。しかし早く植えたいとはやる気持ちとは裏腹に、お道具、苗、カメラをしょったガーデナーの体は重く、日が傾いた午後にようやく「花園」に到着した。

そこでガーデナーの気持ちと体を軽くさせたのは、ヒメツルソバが織りなすピンクの絨毯であった。そうだ、ちょうど寒くなる時期に咲くので、去年植え付けたんだったっけ。改めて、自らの功績を讃える。ブッドレアも相変わらず元気だし、朝顔も迎えてくれた。シュウメイギクはピンクが元気だが、また白花が緊急事態だ。先週植え付けた子達を中心に順に点検していく。(写真:ヒメツルソバ)

前方FWのフジバカマ、カラミンサ、オステオスペルマムは順調だ。咲いてはいないが、どうやらゼフィランサスらしい葉が出ている。グラスのスキザクリウムに紅葉が表れ始めていた。(写真左から、カラミンサ、フジバカマ、スキザクリウム)

中盤MFのナルコユリも元気そうだ。一体いつまで葉は鑑賞できるのだろう。その足元でヒメツルソバも咲いている。移植したオステオスペルマムはうなだれているが、まだ生き延びている。シダが復活していてとても綺麗だ。ステルンベルギアはだらりと黄色い花のついた頭をけだるそうに地面に向けている。カノコユリは、3株のうち2株がまだ枯れずに緑の葉をつけたまま、低空飛行中である。(写真左から、シダ、ステルンベルギア)

後方DFではミヤギノハギがどっしりと根付いている。後ろからの強風を少し和らげてくれているようだ。シュウカイドウは花を終えていた。また花後の手入れを見ておこう。水切れを起こしつつある白花のシュウメイギクは、萎れた蕾や枯れた葉を取り除いた。まだギボウシはいるが、葉が徐々に黄ばみ始めている。ああ、もうすぐ帰ってしまうんだね、ギボウシ君。(写真左:元気な方のシュウメイギク、中央:手前にフウチソウ、その奥にギボウシ、一番奥にミヤギノハギがいる、鉄壁のディフェンス陣。右:緊急事態の白花シュウメイギク)

点検が終わり、ようやくアナベルの予定地を掘り始める。地上部が枯れたカノコユリの球根とステルンベルギアがいる。手前に枯れたロシアンセージらしい株が発掘される。枯れ果てたと思っていたのに、根がしっかりして、弱々しい新葉を出そうとしていた。これはベランダで養生してもらおう。

最初はカノコユリの球根ぐらい簡単に移植できると思っていたが、なかなか大きい。前回の教訓を活かし、山菜堀りではなく、スコップで優しく掘り進めると、この間植えたばかりの球根も10個ほど発掘された。根が着いているものもある。結局、微妙にアナベルのポジションを手前に変更する事にし、カノコユリ達の移植は断念した。

植え付けたアナベルはやはりみすぼらしい。問題の多い中盤の穴を埋めるという大役を果たせるのだろうか。残りの徒長してしまったカノコユリ2株も、地上部が枯れたら移植しよう。しかし、移植先を探すのに、苦労しそうだ。(写真左:主役のはずのアナベル、右:前面から見た花園。アナベルはブッドレアに隠れて見えない。)

日照のよくない「花園」は早くも光量が落ちてきていた。潅水作業が一段落した時に、タイミングよく「あら、来てたの。知らなかったわ。」と偶然在宅していた救世主の声がかかった。用事ですぐ戻ると出かけた救世主を見送り、その間ガーデナーは花がらを摘んでいく事にした。

バッタやアブやチョウチョ達が飛び交っている。花が少なくなるこれからの時期に、「花園」はきっと貴重なお食事処であろう。薮蚊は御遠慮願いたいが、客人の多い「花園」を見るとガーデナーはなんだか誇らしい気持ちになる。
(写真左:作業前、右:あまりよくわからない作業後。真ん中の枯葉がアナベル。)

ほどなく救世主が戻ってきたので、期せずしてティータイムとなった。苗代も頂き、まるでご褒美までもらったようである。薮蚊が完全にいなくなったら、草取りをしてバークを敷いて、石がごろごろしているだけの園路に綺麗な敷石を置こう。ガーデナーの語る「仮想花園」は、いつでも春の夢で溢れている。

帰り際に救世主に苗達の紹介をし、水やり重点ポイントをお願いして、おいとました。白花シュウメイギクは必死の潅水作業の御陰で少し持ち直していた。帰りは瀕死のロシアンセージのお土産付きである。来る時はだるかったガーデナーの足取りも、元気な花達の姿を見た後は不思議と少し軽くなっていた。

***今見頃の花達:左は西洋朝顔、右はブッドレア****


秋の植栽計画〜球根と苗編〜 [秘密の花園]

三連休の最終日は朝から大忙しだった。苗と球根ご一行様の大移動なので、枝が折れないように荷造りするだけでてんてこ舞い。相棒maruもフル稼働で、ようやく「花園」に向けて出発した。

久々に晴れて気持ちのいい青空の下、絶好の植え付け日和である。到着が遅れているアナベルを除き、最終招集メンバーの全員が揃った。

しかしまだ薮蚊はいる。maruが蚊取り線香を準備している間、「花園」の子達の点検。心配していたピンクのシュウメイギクが咲いている。ああ、よかった(写真左)。吉野から救出したはずの子は枯れ始めていたが、園芸種は無事だった。そして去年植えた球根のステルンベルギア(写真右)。秋咲き球根はあまりないので、増やしたいとその姿を見て思う。ゼフィランサスは姿が見えないままだが、条件が整えば、ひょっこり顔を出してくれるかもしれない。

さて、まずは苗を仮置きしていく。今回は季節の核になってくれる苗もいる。

DFのポジション(花壇後方)から、ミヤギノハギと白花のシュウメイギク。そしてベランダからボジション変更したフウロソウ(ゼラニウム・ロザンネイ)(写真DF-c)。

MF(花壇中央)で、以前キノコ畑になっていた所に、ナルコユリ2株を配置(写真MF-a)。ナルコユリを迎えるため、長雨ですっかり元気のない斑入りのオステオスペルマムを手前にポジション変更(写真MF-b)。アナベルが来る位置は空けておく。

一番陽当たりのいいFW(花壇前方)に、斑入りフジバカマ(写真FW−a)とカラミンサ(写真FW−b)。そしてバックアップ用にと、ベランダからポジション変更した斑入りのオステオスペルマムを配置した(写真FW-c)。

ポジション発表が終わった所で、植え付け作業開始。DFはmaruに任せ、ガーデナーは移植が必要な中盤(MF)から作業に入った。しかしmaruの作業場、ハギの位置で発掘作業が難航する。まず陰気なツタの根が発掘された。まるで木の枝かと間違えそうなくらい太い。その朝ガーデナーの腕に切り傷を作った鋭い「山菜堀り」をノコギリ代わりに使って、共同作業の結果ようやく切り落とす。次の発掘物は特大の岩であった。金塊であって欲しいぐらいの、「花園」で採れた最大級の岩だ。その後にぶち当たったのは、なんとコンクリート。これは取り除けない。しかし他に場所はない。微妙に位置をずらしはしたが、ハギに幸あれとばかりに植え付けてもらった(写真DF-a)

白花シュウメイギクは、ハギの微妙なポジション変更で、ヤブランの谷間に植え付ける事になった(写真DF-b)。

その一方で、中盤は移植作業。オステオスペルマムを三株手前に植え付けた。長雨で一番被害を受けたが、新天地で元気を取り戻してくれます様に。ナルコユリは作業中に枝を折ったりしたが、二株共すんなり場所に馴染んでくれた。

ベランダから持ち込んだもう一株のオステオスペルマムを植え付けるかたわら、maruにフジバカマとカラミンサを植えてもらう。「球根が出てくるから気をつけて」と穴を掘って見本を見せていたはずなのに、早速ガーデナーは芽が出て来たばかりのスイセンの茎を切り刻んでしまった。「こんな風になるから、ゆっくり掘ってね(汗)。」面目丸つぶれである。

ようやくフウロソウも植え付け、苗の作業は終わった。後は楽しい球根の植え付けである。
(まずは花壇後方:左から、DF-aミヤギノハギ、DF−bシュウメイギク、DF−cフウロソウ)

(花壇の中盤:左から、MF-aナルコユリ、MF−b徒長した枝が痛々しいオステオスペルマム、そして何の脈絡もないピンボケのシュウカイドウ)

(花壇前方:左から、FW-aどこにいるかよくわからないフジバカマ、FW−bカラミンサ、FW-cベランダで育てていたので元気がいいオステオスペルマム。)

チューリップ好きのmaruに、チューリップ4種の球根を混ぜ、渡す。陽当たりのいい前方にばらまいて、植え付けてもらう。春咲き球根は、自然な花畑をイメージしながら、もうすぐ地上部が消えていくギボウシの足元や、落葉低木や宿根草の足元に植えつける。ムスカリ、スイセン、アネモネ・ブランダ、スノードロップ、シラーシベリカ、アリウムシクラムとmaruと共同して、転がしては植えていく。今でこそ植物達が繁茂しているが、早春には土肌が目立つだけの花壇になる。この子達が顔を出すと一挙に華やぎ始めるだろう。(球根の植え付け方はこちらをご参照下さい→http://blog.so-net.ne.jp/hanahana-slow-life/2006-04-22

スノーフレークは敢えて、難しい門扉前と、奥の柱の近くに配置してみた。西洋カタクリ(エリスロウニム)は長細いので、転がさず、位置を適当に決めて植えていく。最後にチオノドクサを45球。とても小さいので、群植させるため5個ぐらいを一緒に植えた。250球余りの小球根達は、あっと言う間に花壇に消えていった。

そして水やり。水切れを起こさない様に、シュウメイギクには念入りにやる。本当はこの上にバーク堆肥や腐葉土をしくと完璧だが、まだ草取りやアナベルの植え付けが残っているので、そのままにしておいた。作業のビフォーアフターを確認するのも、また楽しい。(上段:作業前、下段:作業後)

今回は作業がかなり大変だったので、ここまでにした。蚊取り線香を消したとたん、薮蚊に襲撃され、あとでものすごく腫れてしまった。去年もやられて、たいそう腫れた覚えがある。痒いと言うより、この時期は痛い。

ともあれ、懸案の大量植え付けは無事終了した。あとはアナベル様を待つだけである。2時間半に及ぶ作業で、すっかり空腹になったガーデナーとmaruは遅い昼食へと「花園」を後にした。

***今「花園」で見頃のお花達:お急ぎの方はこちらをご利用下さい^ ^***

(左上:花盛りの西洋朝顔ヘブンリーブルー、右上:頑張るフロックスと春分さんの所でよく見かける虫さん、左下:復活したシダとステルンベルギアの組み合わせ、右下:エキナセアを制覇したブッドレア)


秋の植栽計画〜続植え付け編〜 [秘密の花園]

週末は仕事も入るが、ガーデナーにはやらなければならない事がある。第一次選抜メンバーを「花園」に植え付けに行くのだ。先週の金曜夜に、続々と招集メンバーが狭いベランダに集結していた。タカノハススキ、フウチソウ、アガパンサス、リシマキアに原種スイセンのモノフィラスだ。山でスカウトしたシュウメイギクも一緒である。

招集メンバーご一行様と「花園」に向けて、いざ出発。作業しやすい気温になって本当に嬉しい。喜びいさんで「花園」で作業に取りかかりたい所をぐっとこらえ、作業前の写真撮影。(左上:門扉側から奥を見る、右上:上から門扉側全体を眺める。下段:上から奥の井戸のある側を見る。)

三週間前の草取りが効いて、今日はスムーズに植え付けられそうだ。夏の間元気だったエキナセアやブッドレアはかなり終焉に近づいていた。楽しみにしていた朝顔との対面はならなかったが、ヤブラン(写真左)とシュウカイドウ(右)が迎えてくれた。シュウカイドウはあちこちでピンクを見掛けるから白でもいいなと納得する。

が、喜びと同時にガーデナーは衝撃の光景を目にする。沢山の蕾をつけたシュウメイギクが萎れているのだ。やはりまだ暑い9月に植え付けたのがまずかったのか。山のシュウメイギクにも暗雲が立ち込めてきた。増えて困ると言う話しか聞かなかったので、まさか育たないとは思いもしなかったのだ。ガーデナーの心も同じく萎えてしまいそうだ。(写真左:萎れた子は小さめに。右:元気なフロックスを見て気を取り直す。あっ、ハエが、、、)

気をとり直して、メンバー表を確認しながら、各自のポジションを決めていく。タカノハススキは一番奥で、風避けになってもらう(a)。シュウメイギクはその手前に(b)。フウチソウは立水栓を隠すように枝垂れてもらう。さてアガパンサスはどうしたものか。植えようと思っていた所にシャガが存在感たっぷりに鎮座している。シャガを移植しようかと思ったが、相棒maruの提言で思い止まる。少し後方になるが、シュウメイギクとギボウシの近くに配置した(c)。手慣れたmaruはもうタカノハススキを植え付け始めた。ガーデナーはコレオプシスの跡地にフウチソウを植え付ける。バーク堆肥を混ぜながら、一通り植え終わる。(写真は左から(a)(b)(c))

後はグランドカバーのリシマキア。二株あるのだが、一株は敢えてブロック塀近くに配置してみた。湿った所がいいのだが、塀沿いの環境は意外と乾いているかもしれない。緑が少ないエリアなので頑張ってもらいたい。球根モノフィラスは9球を門扉側の前面にうえこむ。早く植え付けると11〜12月に咲くと言う珍しい秋咲きスイセンだ。小振りな所も好みなので、早く顔を拝むのが楽しみである。

ハーブコーナーに余っていたベランダのバジルも植えてみた。うまく育ってくれますように。今回もmaruの活躍で作業がはかどった。水やりをして、遅めの昼食に出かける。(写真は作業前、後)

休憩後はmaruを解放し、一人花壇の草とりをしながら観察する。強烈な西日の御陰で、何も育たない門扉手前側は、今はドクダミではなく、ヒメツルソバが繁茂している(写真左)。どちらかと言うと、ドクダミよりも雑草っぽい。その隙間から、ムスカリ・ボトリオイデス・アルブムがもう葉を出してきた。気の早い子だが、無事復活してくれるのが嬉しい(写真右)。

肝心の秋咲き球根はどうだろうか。ゼフィランサスの姿はないが、ステルンベルギアらしい葉は出ていた。来年はもっと秋咲きを充実させたい。ワイルドストロベリーなどのグランドカバーは順調に広がっている。雑草と間違われそうなグラスのスキザクリウムも育っている。うまく行くと秋には紅葉するグラスだ。

フウチソウのお陰で中盤がしっかりし、空いていた門扉側の前方と井戸のある後方が繋がった。ススキやシュウカイドウと相俟って、秋らしい風情もなんとなく漂う。

ユリを移動させて、オステオスペルマムを株分け移動して、ベランダからポジション変更させる子を入れてと、構想は膨らみ、妄想に変わって行く。球根を植えて、一年草の苗を隙間に植えると、夢の様なお花畑が出来上がった。うっとりしていると、maruが戻ってくる。どうやら楽しい妄想の時間は終わりにしなければならないようだ。

上からもう一度冷静に「花園」を見渡す。懸案のユリ付近の穴は、やはりアジサイのアナベルに登場してもらおう。他に日陰にも日差しにも強い子はいないだろうか。強力な助っ人を求め、ガーデナーのスカウト活動はまだまだ続くのだった。(作業前と同じ順序で、作業後の写真)

(撮影:9/24)


秋の植栽計画〜植え付け編〜 [秘密の花園]

一大行事である秋剪定を無事済ませたガーデナーは、「花園」の改造に向かう。お道具一式と先日植物園で期せずして出会った苗ご一行様と、いざ出発である。

一週間ほど、ガーデナーは苗ご一行様をバイオゴールドの活性液で手厚くもてなした。シュウ・メイギク様(秋明菊)は、お礼にと花まで見せてくれた。思わずお引き留めしそうになってしまう。シュウ・カイドウ様(秋海棠)も思わせぶりな蕾を見せる。しかし色は白である。うーん、やはり。怪しいので店員さんに確かめて買ったのだが、ピンクと白がちゃんと仕分けられていなかったのだ。まあ、種類は違うが紅白でよしとしよう。

ほぼ一週間ぶりの「花園」。ここの所の雨もあり、少し落ち着きを取り戻したようだ。ピークを過ぎたとは言え、まだ暑い。花壇の子達も息を吹き返したが、草も勢いを取り戻した。早速薮蚊もお出迎えだ。今回は強化対策として、蚊取り線香を4カ所に設置した。

装備を整えながら、花壇の点検。苗ご一行様の場所は生い茂る草に占領されていた。植え付ける前に、まず草引きをしなくていけない。相棒maruに指示を早速飛ばし草取り開始。おお、忘れていた。あまりにも張り切りすぎて、作業前の写真を撮り忘れていた。上からの画像はないが、現場での画像は撮った。さあ、作業開始だ。

花壇前面の草取り(写真左上)が中心となったが、難航した。ワイルドストロベリーと草が織りなすタペストリーは見事すぎて、草だけをなかなか切り離せないのだ。maruには花壇奥の元井戸の辺りに生い茂るヨモギを担当してもらった。ヨモギ以外は手を出さないようにと講義してから、自分の作業に没頭する。時折ひらひらと美しい客人が舞い込むのだが、おっと臭いとばかりに遠巻きにして去ってしまう。蚊取り線香は蝶にも効果があるのではないかと、ガーデナーは密かに思っている。

maruは今回予想外に素晴らしい戦力となった。ガーデナーが手こずっている間に、みるみるヨモギを退治した。次はガーデナーの作業場横で花壇前面の草取りをお願いする。ドクダミと指定した草だけを抜くようにと指示し、イネ科のスキザクリウム(実生苗が元気に育っていた!)と他のグランドカバーを示し、これは手をつけないようにと周知徹底。ふと横目で見るとmaruはガーデナーの三倍の速度で草を刈っている。そんな早くして間違えたりしないだろうか。少し不安がよぎる。

maruの活躍でなんとか苗5株分のスペースは空ける事ができた。感謝の言葉をかけ、maruの奮闘をねぎらっていたら、ふと摘んだ草の中に、球根が目に入る。わあ、これはステルンベルギアかゼフィランサスではないのか。慌てて、maruにこのネギの様な子は、秋に花をつける球根である事をひとしきり講義し、植え直す。間一髪であった。

いよいよ植え付け。仮置きをしていく。ツルニチニチソウ3株を穴の空いた花壇前面に配置する。前回の下見では気づかなかったが、セラスチュームも消えていた。そこ(a)と、コレオプシスが消えた所(b)、シダがチリチリになって消えた所に決める。元肥は家に余っていた油かすにしてみた。バーク堆肥と赤玉土も混ぜて、苗を植え付ける様maruにお願いする。

その間シュウメイギクとシュウカイドウの位置を決め、穴を掘る。ジギタリスの2株が消えた所(c)がちょうどいい。シュウメイギクを奥へ、シュウカイドウはその手前だ。お二人様にフカフカのベッドを用意すべく、念入りに深く掘り、バークと赤玉を多めに混ぜて行く。本によれば、シュウメイギクの植え付けは彼岸以降とか10月になっている。まだ暑いかもしれないが、ここは午後から日陰になる。なんとか気に入ってくれますように。(写真左から、場所(a)(b)(c))

お昼を食べる前になんとか植え付けが完了した。花園全体に潅水である。さあ、たっぷり飲んでくれたまえ。今まで世話を怠った罪滅ぼしに、洪水になりそうなぐらいシャワーの雨を降らせる。大分日陰の部分が増えて来たので、先に写真も撮っておこう。(写真左上:シュウメイギク、右上:オンブバッタさん、こんにちわ。下段:暑さに負けないエキナセア)

お昼休憩後は、手つかずだった門扉側の草取りと花がら摘みをする。ここは一番目につく所だ。南北に細長い花壇は、門扉側が南で、奥が北になる。東西には高い建物が建っている。特に門扉に一番近い所は午前中は陽当たりがないのに、午後には強烈な西日が当たる。ドクダミ天国だ。ここで草取りをしていたら、7月に植え付けたイカリソウ一株がチリチリになって発見された。ここの地では、シャガとヒメツルソバが踏ん張ってくれている。よほどの強健種でないとここでは耐えきれないのだろう。

あっと言う間に4時過ぎになった。まだまだやりたい事が残っているが、そろそろ時間切れだ。着替えを持って来ていないので、汗でジーンズもTシャツもぐっしょり湿っている。早く帰ってシャワーを浴びたいものだ。(写真はちょっとわかりにくい作業前、作業後)

今日大活躍のmaruをねぎらい、「花園」の方向性について、ふとガーデナーはmaruに率直な意見を聞いてみた。まだ地面がカチカチで、何も植わっていない頃から、この「花園」を知っているのだ。

「まだまだやな」と一言。そんな事はわかっている。何が原因かと聞いてみたら、ずばり
「核になる花がない。」

おっしゃる通り。やはり真ん中には西洋紫陽花アナベルにどんと居座ってもらい、早咲きのユリやシャクヤクぐらいに来てもらおうか。そう言えば、ホタルブクロも欲しいと言ってたっけ。春の球根ももっと増やそう。一年草の種を蒔いてもいいかもしれない。やっと構想が広がるようになってきた。これからはもう少し頻繁に「花園」も見なくてはと、ガーデナーは目標も新たに心を入れ替える事にした。


(写真左:良く頑張ってくれているフロックスに感謝、右:昨日剪定したオールドローズをキッチンに飾る。芳香が漂う。)


秋の植栽計画〜下見編〜 [秘密の花園]

「敗戦は最良の教師である」
           〜最近のイビチャ・オシム語録より〜

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本日も晴天なり。予想最高気温は低血圧の人の平熱並みとなっていた。今エアコンを切ったら、このマンションの一室は、ホットヨガスタジオが開設できるに違いない。家でも外でも暑い事には変わりない。今日は意を決して「花園」の様子を見に行く事にした。午前中に家は出たが、乗り換えで外を歩いているうちに汗が吹き出す。ホットヨガに行かなくても充分用は足りているのだ。(「花園」の栄光の日々は、カテゴリー「秘密の花園」でご覧頂けます。)

ガーデナーにとって、干からびた花壇に対面する事は、どんなホラー映画を見るよりも恐ろしい。当地の雨の少なさを思うと、暑いのに背中がぞくぞくする。恐怖の対面にならない事を祈るのみだ。が、そんな願いも空しく、関西の夏のすさまじさをまざまざと見せつけられた。ではまず一呼吸置いてからご覧下さい。

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初夏の花園〜後編〜 [秘密の花園]

ガーデナーはお昼をとりながらも、「花園」の事で頭が一杯だった。うまく行っている所と行っていない所があり、暑くなり、ますます頭の回転が鈍ってきたガーデナーにはどうすればいいのか全く見当がつかなかった。

5月の長雨で白のオステオスペルマムが壊滅状態だった花壇の真ん中付近は、今度はキノコ畑になっていた(写真左)。予想以上に日が当たらないのと、どうやら水はけも悪いらしい。まだかろうじて生存しているオステオスペルマムの上に、今度はカノコユリが陽を求め、覆いかぶさるように倒れて来ている。山で見たササユリもこんな感じで倒れて来ていたから、自生地みたいでいいかなとも思ったが、もう少し支柱をするなりして、起こしておいた方がいいかもしれない(写真右)。

白のホタルブクロをユリと奥のジギタリス付近に植えようかな。何か同じ植物を使えば、門扉側と奥側の分断された植栽がとりあえず繋がったように見えるだろう。後はこの夏が終わったらどうなるのかも考えておかなくてはならない。今のままだと、もうこの後めぼしい花は咲かない。エキナセアとフロックスが晩秋まで咲き終わったら、あとはもう何もないのだ。でも今は何も思いつかない。

ぐるぐる堂々巡りをする頭で「花園」に戻る。とりあえず、イカリソウと朝顔が一株ずつとオーナメンタルグラスのスキザクリウムが残っている。今日中にこれだけなんとか植え付けてしまわないと。お昼まで作業を手伝ってくれたmaruも、飽きたのか近所で見つけた中古CDショップに出かけてしまった。

まず門扉側、手前のトレリスに植えていたテイカカズラの救出活動を始める。ガーデナーがフウロソウ、エキナセア、ブッドレアとかき分けて進むと、やっと陽を浴びテイカカズラが眩しそうに微笑んだ。なんとかこの中で生き延びていたのだ。日照を確保するため、さえぎっていたブッドレアとエキナセアも一部切り花にした。ここに朝顔を一株植え付けた(写真左)。(写真右は奥のトレリスに植え付けた朝顔)

イカリソウの新居は、ヤマアジサイ近くのツタやドクダミ達を抜いて、場所を確保した。ヤマアジサイはかなり早く花を終えていたようで、もう剪定時期なのだが、どの枝を剪定したものかよくわからなかった(写真左)。これはそのままにしておく。残るはスキザクリウム。苗を全て、奥の方から植栽の空いた所に適当に植え付ける。本当は陽当たりのいい所を好むらしいが、真ん中にも門扉側にもランダムに植え付けてみた。こうやって、どこの場所が一番生育がいいのか見極める事にした(写真右:手前がスキザクリム、奥はオステオスペルマム)

目立つ草以外はあまり抜かず、そのままにしておいた。当面草達にもグランドカバーとして頑張ってもらおう。以前に植えたワイルドストロベリー、ヒメツルソバ、シロバナサギゴケも頑張って繁茂しているのは頼もしい。山から持ち帰ったシャガとシダが意外に元気そうだった。雨が多かったのが、逆に良かったようだ。

問題は山積したままだが、植え付け作業が完了したので、とりあえず上から庭を眺める事にした。

あんまり大きく変わってはいないが、今日の所はよしとしよう。また近いうちに様子を見に来る事にした。これから暑くなってしまうし、実際の植え付けはここまでにして、植栽計画はしばらく構想だけを練る事にしよう。さて庭全体の把握も大切だが、個々の花も愛でて帰ろう。全体としてはまだまだ形になっていないが、花の一つ一つを見ると本当に綺麗だ。(写真左上:フロックス、右上:エキナセア、下段:ブッドレア)

汗ですっかり綿のTシャツも重くなった。maruを待たせてしまったので、4時過ぎに作業を終える事にした。春から初夏にかけて、門扉側がすっかり様変わりした姿に、ガーデナーも一応満足はしていた。この後どうすればいいのか、また恩師の"Seasonsシーズンズ”に行くか、吉野の山に行くかして、何か植栽のヒントが得られればと思う。

春にはあれだけアイディアがあったはずなのに、一体どこへ行ってしまったのだろう。耐暑性のないガーデナーは、ベランダや花園の子達よりも、自分自身の夏越し対策がいるんじゃないかなあと、帰りの車の中でぼんやりと思った。


初夏の花園〜前編〜 [秘密の花園]

日曜も雨は降らず、蒸し暑い。曇ってはいるが、今日は青空が雲の隙間から覗く。近所のホリーホック(タチアオイ)も気がつけば、花が頂上に到達していた。来週末には祇園祭りも宵山、山鉾巡行とクライマックスを迎え、ここ関西ではそろそろ梅雨明けに向けてのカウントダウンに入った。(左:6/18時点、右:7/9時点)

「秘密の花園」と名付けた、救世主の花壇を訪れるのはもう二ヶ月ぶりだろうか?5月下旬に仕事帰りに立ち寄って以来の様な気がする。その後「夏の植栽計画」も途中で放棄したまま、時間だけが過ぎてしまった。その間にベランダで育てていた実生苗もすくすくと育ち、西洋朝顔に至ってはベランダの手すりにしがみつき、なかなか離れてくれないまでになっていた。(関連記事:「秘密の花園」→http://blog.so-net.ne.jp/hanahana-slow-life/2006-03-28「春の植栽計画」→http://blog.so-net.ne.jp/hanahana-slow-life/2006-04-23 http://blog.so-net.ne.jp/hanahana-slow-life/2006-05-09「夏の植栽計画」→http://blog.so-net.ne.jp/hanahana-slow-life/2006-05-19 http://blog.so-net.ne.jp/hanahana-slow-life/2006-05-24

草も取っていないし、一体どうなっているやら。考えると行くのが恐ろしくなってきたが、梅雨明けまでに、実生苗は植え付けてしまおう。意を決して、相棒maruを助手に従え、「花園」に直行する。

その扉を開ける度、ガーデナーは幾度となく驚いて来た。今回も呆然とするばかりの光景が広がっていた。

去年より背が倍になっているエキナセア(ピンク)とブッドレア(白)に出迎えられ、ガーデナーは嬉しい誤算に言葉を失う。そこに写真にはおさめられなかったが、モンシロチョウや大きなアゲハチョウ、ルリシジミもひらひらと歓迎してくれる。元気のなかったブッドレアが、ここまで大きくなるとは感慨ひとしおである。さすが蝶を呼ぶバタフライ・ブッシュ(butterfly bush)。しかし、まあよくここまで大きくなったものだ。

とりあえず忘れないうちに、上から写真を撮ろう。階段があるので、今までも上から眺めていたりしたのに、写真を撮ると言う事を忘れていた。以前は植栽に穴が空いていたが、宿根草が大きく成長し、草も繁茂したりして、空間が埋まったきた。用意した朝顔とイカリソウを門扉側(写真上、上側)に植えようとしていたのに、このままでは全く植えられない。反対に日陰になる奥(写真下)はジギタリスやアスチルベが花を終えていて、なんだか寂しい。本当は水道の右横にコレオプシスが顔を出しているはずなのだが、あまり元気がない。こちらに朝顔のポット苗を2つ植えて、スキザクリウムを重点的に植えよう。門扉側には一掃したはずのツタが逆襲を開始しているし、ドクダミもかなりの勢いだ。しかしそれ以上に勢いがあるのは、紫のフウロソウだ。まず門扉側の発掘作業から始めよう。

作業の前に蚊対策。今日は蚊取り線香を二つ設置。風に乗ってうまく煙が花壇を流れる。蚊避けのハーブガードを体中に振りかけ、長袖ブラウスを纏い、首にタオルを巻き付けたら夏のガーデナーの正装完了である。今日は草取り新兵器の威力も十分に試せる事だろう。

フウロソウとドクダミに覆い隠され、行方不明のイカリソウとローズマリーとロシアンセージの捜索を開始。札を立てておいて本当によかった。草を取るより、フウロソウを刈り込む事にした。その間、maruには向かいにあるハーブ花壇の草取りをお願いした。ローズマリーを発見!この時期の移植は危険だが、ローズマリーをこれ以上フウロソウの側に置いておくのは限界だと判断し、急遽ハーブ花壇へと移植した。ここへは持って来たラベンダーの実生苗も植え付ける。ハーブ花壇の作業は全てmaruにお願いしたので、仕上がりにはやや不満も残ったが、こちらはなんとか完了した。

続いて持って来た西洋朝顔の2苗を、奥のトレリスへ移植する。これも場所だけ指定して、maruに作業をお願いした。その間ガーデナーは捜索作業に没頭する。

作業半ばで、maruが「お腹すいた」と言い出す。作業に没頭するとすっかりそんな事を忘れてしまうガーデナーだが、栄養補給は大切だ。いったん作業にきりをつけ、昼食に出る事にした。作業はまだまだ続く。後編へ。


夏の植栽計画〜続・構想編〜 [秘密の花園]

「世の中は美しい。それを見る目を持っていればね。」〜この間雑誌で見た言葉より〜

久々に見るお日様。朝の光が、もうぎらつくようになってきた。五月のあの爽やかな風薫る季節をいつの間にか通り越し、もう夏を思わせる日差しだ。天気はいいのに、朝から仕事である。

シモツケも、ノエル君も花を見せ始めている。明日ゆっくり撮ってやろう。実生苗も皆に見てもらいたい。袋の中に息づく小さな芽の、なんと神秘的な事か。サーヤだって、もう新しい芽をちゃんと準備している。お日様、頑張って早起きしますから、明日も今日と同じ光を下さいますように。

今日はなんとしても、仕事の帰りに「花園」に寄る事にしている。むしろ「花園」に手入れに行くついでに、仕事に行くと言った方が正しいかもしれない。わざわざ早目の時間帯の仕事を選んだのだから、そうだろう。今日の点検ポイントは、テイカカズラ、門扉前スペース、奥のアスチルベ界隈だ。

数日前、救世主から、草取りの人を手配する旨のメールが来ていた。大変だ!慌てて返信する。
「石の敷いてある所と、井戸の側のヨモギと、まだ残っているツタを取って頂きたいです。花壇の中には、植栽がしてあり、あまり踏んでもらいたくないので、花壇の中の草とりは私がしますので、放っておいて下さいとお伝え下さい。」

花壇には、素晴らしい宝物が埋まっていると言うのに、見えない人には見えないものだ。先日宝塚で再会したガーデニング友達のMISAKOさんに、「あのアジュガ綺麗に咲きましたよね」と言われた時に、ガーデナーは顔を曇らせ、アジュガの謎の失踪事件を伝えなければならなかった。

昨秋に先輩ガーデナーのアクシャスママと、シーズンズからアジュガを分けてもらい、植栽したのに、忽然とアジュガだけ姿を消してしまったのだ。色々思う所はある。今は「疑わしきは罰せず」だ。しかし、念のため、花壇をガーデナー以外立ち入り禁止区域にする事にしたのだ。

花壇の前面は、セラスチュームが担当だった。しかし一株しか夏を越せず、代わりをアジュガに期待したが、姿を消したため、これも駄目になった。ここに手前から奥へと繋がる、同じ品種が欲しい。今有望視しているのが、這性のクレマチスだ。この間恩師に聞いたら、日本の原種を始め、いくつか品種があるそうだ。一株で1m伸び、植栽の隙間を縫って横に広がるので、シダやギボウシの植栽に変化を加えたい時に有効だと言う事だった。

ようやく仕事が終わり、「花園」に寄ると、最近の長雨の被害を目のあたりにする。野菜の生育が悪い事はニュースになっているが、全国のガーデナー達が今月の雨で被った被害については、全く無視されている。この白のオステオスペルマムは壊滅状態だ。手前の紫のオステオスペルマムもかなりの被害だ。徒長して、ひょろひょろしていた茎が折れている。花も駄目だ。カモミールも倒れていた。(↓写真は作業後)

約一時間かけ、倒伏した茎達を取り除き、切り戻す。この中でフウロソウは相変わらず元気だ。この作業中、すでに発生した薮蚊に献血してしまった。この痒さは「かまれた」と形容すべきだろう。次回からは蚊取り線香と蚊除けスプレーで武装しなければいけない。蚊除けのため、バジルの実生苗づくりも急ごう。

作業後に改めて植栽を眺める。オステオスペルマムを諦め、別の品種に変えるチャンスかもしれない。今度は半日陰でも徒長しないものにしよう。しかし、紫やピンクの花色ばかりで、白がごっそりなくなってしまうのが痛い。また写真を見ながら、ガーデナーは計画を練り直す事にした。

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点検ポイント↓(左から)(1)門扉側:今はシャガとヒメツルソバのみ、ここにシダ、ギボウシ、セキショウやアマドコロを考えている。(2)奥のアスチルベ界隈:一株出て来なかった。後ろはヨモギが鬱蒼としているので、ここにフウチソウやシュウメイギクあたりを入れたい。

(3)手前のテイカカズラ付近:テイカカズラの手前に、これから大きくなるロシアンセージが植わっている。それよりもエキナセアの方に押しつぶされそうだ。頑張れ!テイカカズラ。(4)奥のテイカカズラ付近:アルケミラ・モリスが一株のみ。これから出てくるコレオプシス'クレム・デ・ブルリ’に頑張って欲しいが、、、。なんか寂しい。シダかオーナメンタルグラスが欲しい。

****おまけ:雨にも負けていない子達の紹介****

(左上)ヤマアジサイ’黒姫’(右上)ジギタリスの花芽(左下)ギボウシ2種(右下)フウロソウ


夏の植栽計画〜構想編〜 [秘密の花園]

春の球根がすっかり影を潜め、宿根草が勢いを増す。春の花後の手入れをしながら、来るべき夏に向けてそろそろ準備を始めよう。

原種球根達は花がらを摘まず、そのまま種をつけさせる。場所を気に入れば、種で増えていく。球根代も浮くし、手間もかからず一石二鳥。鉢植えは、花がらを摘んだが、この後完全に枯れるまで放置する。水やりも雨が降ったらやる程度の管理だ。しかし秋の植え替えまで、なんとも寂しいので、ここに朝顔を植える事にした。実生苗が育てば、移植しよう。アンジェリケのあった鉢は、ワイルドストロベリーを植えよう。

昨日、仕事の帰りに「花園」に様子を伺いに行った。シャガはなんとか生き延びていた。先月植え付けた苗も、概ね元気そうだ。ただテイカカズラの育ちが悪い気がする。シダもやはり無理がありそうだ。嬉しい知らせは、今年初めて花を見せたヤマアジサイの黒姫(写真左)。濃い紫になる花は、今はやや赤味を帯びていて、えもいわれぬ美しさだ。見ているだけで、雨空の憂鬱さも忘れそうだ。

一番目につくのは、紫のフウロソウの繁茂ぶり(写真右)。一株しか植えていないのに、場所がよほど気に入ったのか、予想以上の増え方だ。近くにあったローズマリーが行方不明だ。もう一株のピンクのフウロソウは、オステオスペルマムに埋もれ、懸命に探さなければ、わからない。困ったものだ。

オステオスペルマムの後方に控える、フロックスとエキナセアも順調だ。実はエキナセアの方は、植えて後悔しているものの一つ。ガーデナーは小さな花が好みなのだが、これは想像以上に大きかった。病虫害に極めて強く、背も高いし、暑い夏にもめげず咲き続け、花期も長いのだが、いかんせん花が大きい。広い庭なら映えるのだが、日照の悪いこの花壇では、倒れてきて草姿が乱れる。しかも三株もある。頭の痛い事だ。(エキナセアの写真→http://flower365.web.infoseek.co.jp/02/044.html

奥には、ジギタリス(写真左)が花芽をつけている。去年春に植えて二度目の花だ。冬でも地上部が残り、そしてちゃんと花を準備してくれている。近くにはアスチルベ。最初の芽吹きからケマンソウだと思いこんでいたのは、実はアスチルベ(写真右)だった事に、花芽を見てようやく気づいた。と言う事は、ケマンソウは消えてしまったらしい。足元の札と、この花芽が動かぬ証拠だ。アスチルベはもう一株あるのだが、消えたのか出てこない。アルケミラ・モリスも、一株しか復活しなかった。

先月植え付けたヒューケラ(写真左)は大きくなって、花芽をつけている。そして真ん中にあるセラスチューム(写真右)も少し花をつけた。この銀葉が好きで、昨春には花壇前面に六株植えていた。イングリッシュ・ガーデンのように、白花が雪のように広がる幻想的な風景を夢見たのである。しかし生き残ったのは、この一株。現実はいつも厳しい。

こうして見ると、やはり所々植栽に穴が空いてきた。さて、どうしたものだろう。

グラス類を充実させたい。フウチソウは欲しい。あとヤブラン以外にイネ科植物が要る。雑草と間違われて抜かれませんように。アマドコロもいいな。ただ地上部が鑑賞できるのは夏頃までのようだ。あとリョウメンシダがどうしても欲しい。今はシャガしかない所に、シダを植えて、大きくなったギボウシを株分けして植えたい。

花壇全体を見渡すと、日照を好む植物が手前で、日陰に耐える植物が奥と、何か真ん中で断絶しているようだ。花壇をつなぐ何かが欲しい。流れをもたせるために、這性のクレマチスはどうだろうか。本には恩師推薦のクレマチス・ジューイニアナ’ミセス・ロバート・ブライドン’なんて、名前の発音もおぼつかなければ、入手できるかどうかもわからないマニアックな品種が載っていた。横に広がり、白っぽい清楚な花が夏に咲く。

明日はまた宝塚ガーデンフィールズに行く事になった。何か植栽のヒントが見つかるだろうか。ガーデナーの頭の中は、いつも植栽の悩みで一杯だ。


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